第1218話 深淵への入り口
「ええ、しかもかなり早い段階から組み込まれているという事は、やはりあの部品は重要な箇所であるということなのかも知れないわね」
「絶対にそうだと言いきれるわけじゃ勿論ねえが、こうして初期の段階で組み込まれている所を見ると隊長が言ってた様に制御装置として扱われてるって言う可能性も高まってきたな、只そうなってくると、尚更その中身が何なのかって疑問が湧いて出てくる」
青い球体が兵器に組み込まれるのを肉眼で確認し、コンスタリオとモイスはそれぞれに思った事を口にする。
そして其の疑問に対する答えが見つかるかも知れないと思い、部屋に置かれている機器を操作し始める。
そして暫く経ってコンスタリオが
「やはりこの部屋の機器は兵器生産プラントの制御装置の様ね。
やはりここで自分達の身の安全を確保しつつ、外のプラントを制御して兵器を量産しているのよ」
と告げるとシレットは
「ならこの機器を操作すれば兵器の生産を止める事も出来るのでは?」
とコンスタリオに提案するがコンスタリオは
「確かに其のとおりではあるわね……只、これだけの規模の生産ラインを動かすとなるとそれ自体に何らかの罠が仕掛けられている可能性もあるから少し警戒が必要になるわ」
と慎重な姿勢を見せる。
プラントの規模からこれまでのプラントの感覚で行動すると痛手になると考えているのだろうか。
「そうかも知れませんね、流石に単に機器を動かしただけでは何かを起こしてくるわけでは無い様ですが」
其の様子と警戒心を察したのか、シレットも同意する。
「だったら尚の事この機器からデータを収集しねえとな、そうでないと危険を犯してここまで来た意味がなくなっちまうぜ」
モイスがそう話すと同時にシレット、コンスタリオも共に部屋の中にある機器を触り始め、其の中にあるデータを探ろうと躍起になる。
それが実ったのか、少し経ってからコンスタリオが
「二人共、手掛かりになりそうなもの、見つかったわよ」
と告げ、其の言葉にシレット、モイス共に
「一体何が見つかったんですか?」
と声を揃えてコンスタリオに尋ねる。
「二人共、こっちに来て」
コンスタリオはそう話してシレットとモイスを自身が座っている機器の前に集める。
そして目の前のモニターに表示されている文章と図に注目する様に画面を指差して
「我々がこの施設を発見して早一ヶ月、この施設のプラントは我々がこれまで発見してきたプラントのどこよりも素晴らしい物である、それ故にこの施設を手中に収められたのは大きい事だろう」
目の前の文章にはこう記述されていた。
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