第1165話 今後の希望へ

「今、このタイミングで通信?一体誰から……」


コンスタリオが疑問に思いつつも通信に応対すると画面にはブエルス防衛部隊の司令官が映し出される。


「司令官?通信を送ってきたのは一体何の目的で?」


コンスタリオが司令官に尋ねると司令官は


「君達が飛空艇に戻ってきた事が確認出来たので送ったのだ、直ちにキャベルに戻って欲しい。

其の様子では残念ながら彼女の保護には失敗したようだな……」

「はい、情けない話ですが遭遇には成功したものの、身柄の救出までには至りませんでした」

「仕方無い、お互いに生きていれば又機会が来ると祈りたいところだ。

まずは此方に戻り、これからの作戦行動を思考するべきだろう」

「了解しました、只今より帰投します。

しかし、発掘現場の兵器は放置しておいて良いのですか?」

「それに対処する案を考える為にも帰還命令を出しているのだ、帰投、頼んだぞ」


司令官はそう言うと通信を切り、それを確認したコンスタリオは


「二人共、今聞いたとおりよ。

私達はこれからキャベルに戻って今後の作戦行動を思考することになる、兵器については現状私達だけで対処するのは不可能である以上司令の指示に従うしか無いわ」


とモイス、シレットに敢えて告げる。

それを聞いたモイスとシレットは


「承知しています」


とだけ返答し黙って指示に従う。

そして飛空艇は全速力でキャベルへと向かい、其の巨体を地面へと降ろすのであった。

そしてそのまま司令室に向かい、司令官と対面する。

其処では天之御達も通信画面越しに待機していた、それを見たコンスタリオは


「魔王達も居るのね……大分慣れては来たけどまだ少し不思議な気分だわ」

「俺達の方は元々人族の協力者も居たからそうでもねえけどな……ま、今はこんな与太話をしている場合じゃねえか」


コンスタリオの発言に対し八咫は少し誂った様な発言をするが、其の顔は直ぐに真顔へと戻る。


「司令官から聞いては居たけど、彼女の姿が見えない所を見ると残念だったみたいだね……」

「ええ……折角貴方達が情報を提供してくれたのにそれを活かす事が出来なかった。

この失態については弁解の余地は無いわね……」


天之御の発言に対しコンスタリオは明らかに負い目、引け目を感じている返答を行う。


「司令官からも言われた筈だよ、まだ終わったと決まった訳じゃないんだ。

彼女が生きているのならね」


そんなコンスタリオに対する天之御の返答はコンスタリオにとって少しでも支えになるのだろうか。


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