第1110話 地よりの侵略者
「なら、その信頼を反故にする訳にはいかないわね……」
元より反故にするつもり等無かったものの、真正面からこう言い切られた事でコンスタリオは自分の言動に改めて責任を感じる。
「スターが……いえ、魔王陣営の魔神族がもたらしてくれた情報は非常に大きなものであったわ、それは認めざるを得ない。
そしてそれがあったからこそ私達が此処に来る事が出来た、それに答える為にも私達が此処でしくじる訳にはいかないわよ」
シレットも又、そう言って自分に言い聞かせる。
それはコレまでの魔神族を敵視していた自分を恥じているようにも何処か見えた、それを悟ったのか豊雲は
「気負い過ぎは禁物ですよ、まずは此処のデータを入手しなければ始まらないのですから」
と何処か諭す様な口調で話す。
そしてコンスタリオが全てをデータを写し取り終わり
「さあ、コレで後は……」
と言うとそのまま椅子から立ち上がって施設を後にしようとするがその瞬間何処かから
「どかん」
という爆発音と強烈な振動が施設内に響いてくる。
「爆発音と振動!?一体何処からだ……」
モイスがそう告げるとシレットは
「施設内から響いてきたということは何かが動き出したって事なのかも知れないけど……」
と言葉を続け、コンスタリオは
「ならその場所はこの機器で特定出来るかも知れない!!」
と言い、今さっきまで動かしていた機器を再び操作し、施設の全体図を表示する。
すると施設内の一箇所から大きな赤い丸が動いているのを発見できる。
「この赤い丸が先程の爆発と振動の正体なのでしょうか?だとしたら……」
「何れにしても放置は出来ないわ、それにコレを見て!!」
シレットとコンスタリオが赤い丸について会話をするとその赤い丸はどんどん上に向かって移動しているというのが分かる。
「上に向かって移動している!?このまま行くとさっきのプラントを通り過ぎるぞ!!」
「恐らくはプラントを破壊し、そのまま上に出るつもりなのか、あるいは……」
モイスと豊雲がその動きに懸念を示すとコンスタリオは
「万が一この反応が地上に現れたりしたら大変な事になるわ!!
先程のプラントに戻り、正体を確認するわよ」
と告げ、その場に居た全員は全速力でプラントへと戻っていく。
そして一同がプラントに到着した直後、プラントの床が盛り上がり、先程の赤い丸がその正体を表す。
「あれは……あの見た目は……」
その外見を見たコンスタリオ小隊は困惑を隠せなかった。
そこに現れたのは大型兵器であるが、コレまでの大型兵器とは明らかに異なっていたからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます