「あの発掘現場もブントが関与していたもの……確かに考えられない話ではない。

だがそうだとしたら何故、俺達が向かってからブントがそのエリアを調査していねえんだ？

俺達が向かってからブントがそのエリアを調査したって報告は一つも受けてねえぞ」

「確かに……もし私達が動いた事で何かを察したのだとしたら直ぐに行動を起こしても良さそうなものだけど……」

「考えられるのはそれ以上に貴方達に節間を抱かれるのを避けたかったのか、それとも当時はまだそこまで焦っていなかったのか……」

「ちっ、完全に舐められてたって訳か、だがそれだけに今頃慌ててるって言うのが手に取るように分かる気がするぜ」

モイスがそういった直後、コンスタリオは徐に情報端末を取り出しそれを目の前の危機に接続する。

「隊長？一体何を……」

「この施設のデータを複写しているのよ。

アンナースの一件もあるからいつまでもここでじっとしている訳にはいかないわ、だけど此処の情報は極めて重要な上、この量を一気に分析するのは不可能よ。

だから持ち帰るの」

シレットの問いかけに対しこう返答するコンスタリオ、それを聞いた豊雲は

「それもそうですね、では私共も後程……」

というがコンスタリオは

「その心配は無用よ、私達の方からそちらにもスターを通じてデータを送信するわ」

と告げる。

「隊長？」

「スターは、そして魔王陣営はコレまで数々の情報を私達に提供してくれたわ、そしてその情報がなければ私達は恐らく此処に辿り着く……いえ、ブントという組織を知ることすら無くただ漠然と戦っていたでしょう。

だから少なくともその借りは返しておく必要があるわ、例えそれがコレまでの自分の信念に背く行為であったとしてもね」

想定外の言動だったのか、モイスはコンスタリオに発言の真意を問いかける。

だがその返答を聞き、納得した表情を浮かべる、恐らくはその内容に異論がないのであろう、その点については声に出さずとも把握出来た。

「分かりました、ではそちらの情報提供をお待ちしています」

豊雲がそう告げるとコンスタリオは

「随分簡単に引き下がるのですね、私が出任せを言っている可能性もあるのですよ」

と発言する、その口調は明らかに豊雲を試している風であるが豊雲はそれに対し

「ええ、貴方達を信じますから、星峰が信じているのであれば……いえ、私自身の意志として貴方達を信頼します」

と躊躇うこと無く明言し、その視線をコンスタリオに一直線に向ける。

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