第1099話 邂逅の先の共闘
「ええ、私も又、天之御殿下の元に集い、星峰と対等に置いて語り合う者。
最も、立場上こうして一人で行動する事も多い訳ですが」
豊雲はそう呟きつつも戦う構えを崩さず、常に警戒し続けている。
それはコンスタリオ小隊に対してではない、兵器の群れに対してである。
「さあ、与太話はここまでですよ、あそこに集団で集まっている兵器を放置しては置けません」
豊雲に神経を向けていたコンスタリオがふと目を前に向けるとそこには兵器に取り囲まれ、徐々に壁際に追い込まれつつあるシレット、モイス、アンナースの姿が飛び込んでくる。
「ええ……その通りの様ね!!」
コンスタリオはそう言うと兵器の群れの方に接近していき、豊雲もそれに続いて交戦体勢をキープしつつ兵器の群れに接近していく。
「隊長!!それに……」
「魔王側の魔神族もここに来ていたって事は、愈この施設がヤバそうな雰囲気を漂わせてくるぜ……」
コンスタリオと豊雲が接近してきた事でシレットとモイスは少々安堵するものの、直後にその事実がこの施設の危険性をより高めて居る事も自覚する。
そう考えなければこの状況は切り抜けられそうになかったからだ。
コンスタリオと豊雲が兵器を次々と破壊していき、それに合わせる形でシレットとモイスも追い詰められていた壁際から徐々に前に移動し、交戦体勢を再度整える。
それは二人より少し離れた場所に居たアンナースも同様であった。
「魔神族……先日までの私であれば間違いなくこの状況で銃口を向けていたでしょうね……」
内心に抱いた魔神族に対する疑念をアンナースは敢えてこの場で口に出す。
そうしなければ自分自身の中で抱え込むにはあまりに大きすぎる葛藤であったからだ。
その言葉を聞いた豊雲はその内心を察したのか
「貴方が殿下がおっしゃっていた少女ですね、内心では色々とあるかとは思いますが、とりあえず今はこの場を切り抜けるのが先決です」
とこの状況で取るべき行動を諭すような発言を行う。
「ええ、分かっているわ。
この兵器達にやられてしまっては親友の謎、そして私自身が内心に抱いている疑問の答えを得る事も出来ないもの」
と現状をきちんと見極めた発言を行い、狙撃銃で集まってきた小型兵器を攻撃する。
小型兵器は膜を貼っておらず、射撃武器でも十分破壊可能であった。
「小型兵器……コレは迎撃と言うよりは足止めの様な印象ね……だからこそ時間は掛けられない」
シレットはそう言うと魔術の雷撃を放ち、集まってきた小型兵器を一掃する。
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