第1097話 増す力、増す悪意

その雰囲気が当たったのか、それともモイスの懸念を察知したのかは不明だが中央の生産プラントから兵器が次々と生み出される。

その様子から迎撃の為に出てきたという雰囲気ではなく、単に内部で生産されていた兵器が出現しただけの様にも見えなくもない。


「生産プラントから兵器が出現か……防衛なのか、それとも単に生産されたのか……」

「そこはこの際あまり問題ではないわ、それよりもあの大きさ……あれも生命を制御装置にしている兵器の可能性があるわ、警戒を怠らないで」


コンスタリオの言葉に他の三人も身を引き締める。

その言葉通り、兵器の外見は先程のプラントで交戦した兵器と同じ位はあり、生命を制御装置にしている可能性は十二分に考えられた。


「そうだとしてもここで引き下がる訳には行きません。

第一、もし隊長の仮説通りにあの兵器が生命を制御装置にしているのであれば……」

「あの機器の中で生命を制御装置にする兵器が製造されているって事になる、だとすれば尚の事放置は出来ない!!」


その仮設を効いたシレットとモイスは益々気合を入れ、立ち塞がる兵器と交戦する体勢を整える。

そして兵器が向かってくると一同は先に銃弾や魔術で攻撃するが、今回の兵器はそれを弾き返してくる。


「銃弾や魔術を弾く!?今までの兵器には無い能力ね……或いは使用していなかっただけなのか」

「それを使用してきたということは、やはりあの兵器は隊長の仮説通り、生命を制御装置にしている兵器の可能性があるという事なのでしょうか?」

「それを確かめるには破壊するしか無いわね、行くわよ!!」


コンスタリオがそう告げると一同は体勢を立て直しつつ兵器と交戦する。

兵器の攻撃は従来どおりの機銃や格闘武器ではあった、だがそれが壁に当たった痕跡を見たシレットが


「この壁の破損具合……コレまでの兵器よりも明らかに武装の威力が高められていますね……」

「そうね……コレまで以上に直撃を受けない様に気を付けて!!」


シレットが攻撃の痕跡を分析するとコンスタリオもそれに言葉を続け、この兵器達の能力がやはり侮れない事を伺わせる。


「だが、逃げてばかりいても……それに此奴等、機関銃やレーザーも遠慮なく使ってきやがるぞ、このプラントも破壊されても問題ないって事か……」

「或いはこのプラントごと破壊するつもりなのか……その場合ここには外部に漏れては困る何かが存在しているということになりますね」

「それが何方であるにしても今は兵器への対処に専念して!!片手間では此方がやられてしまう可能性も無いとは言えないわ!!」


モイスとアンナースの分析に対し、コンスタリオはそれを肯定しつつも現状にまず目を向けるように告げる。

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