第1050話 結束の一点突破

コンスタリオが指差した先には兵器の出入り口らしき扉があった、だが重要なのはそこでは無い、その奥に見えた光景は明らかに生産用の機器が動作している光景であった。


「え……あれって……」


その光景を見てシレットが一瞬困惑するとモイスが変わって


「あれは兵器の生産ラインか……つまり、ここで出てきた兵器はこの生産ラインで生み出されたばかりの出来立てほやほやって訳だ。

ちっとも嬉しか無いけどな」


と言葉を続け


「つまり、ここを抑える事が出来ればこの施設の戦力の……少なくとも一端を食い止める事が出来るという訳ですね」


とアンナースも言葉を続ける。

それらの発言を聞いたコンスタリオは


「そういう事よ、それに上手く行けば兵器についての情報も得られるかもしれない、そう考えれば幸運だったと言えるでしょう」


そう口にしながらシレットに微笑みかける、その微笑みを見たシレットも又、少しだが確実に嬉しそうな微笑みを浮かべるのであった。

先程の少し不機嫌な顔はその状態からは見られない。


「だが、その為にはまずこいつらを突破しないといけねえ!!」

「そうね……けど背後に生産ラインがある以上、敵はほぼ無限に出現すると考えていいと思う、構っている限り何時までも出現し続けるのだからここは……」

「最低限の相手をして、その上で強行突破、これしか無いわね」


コンスタリオ小隊が顔を見合わせて頷き、その為の行動を取ろうとするとアンナースも


「私も同意します、ここで無駄に戦力を消耗しては戻る事すらままならないでしょうから」


とコンスタリオ小隊に同意する。

四人は顔を見合わせて頷き、直ぐ様陣形を整える。

そうしている間にも兵器が向かってくるがその兵器達目掛けてまずはシレットが扇形に雷撃の魔法を放ち、その魔法と爆煙で兵器を破壊、或いは動きを止める。

その鋤を突いてコンスタリオが先陣を切り、最短ルート上にいる兵器を次々と格闘術で攻撃し、その場に倒れ込ませていく。

そのまま入り口へと向かおうとするが兵器も当然追撃を掛けてくる、すんなりいかせてくれる訳ではない。

それに対しモイスが両手に持った二丁拳銃で兵器の関節部分を撃ち、後方から迫ってくる兵器を撃ち抜いていく。

そして入り口に差し掛かるがその時、付近から新たな兵器が出現しようとする。

それに勘付いたアンナースは手に狙撃銃を持ち、直ぐ様出現した兵器の関節部分目掛けて発砲しその兵器を破壊する。

そしてその直後に一同が扉を潜るとアンナースが撃ち抜いた兵器は直ぐ様崩れ落ちてその場で残骸の山となり、後続の兵器を阻む壁となる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る