第1044話 立ち塞がる壁

其の兵器はやはり優れた連携でコンスタリオ小隊を攻撃してくる。

コンスタリオ小隊は其の連携攻撃を掻い潜りつつ兵器へと攻撃を仕掛けるものの、其の攻撃は弾かれてしまう。


「さっきの兵器より装甲が硬い!?同型の量産兵器ではないという事なの?」


コンスタリオがそう話すとシレットも


「ええ、魔法も銃撃も格闘術も弾き返してくる……さっきより装甲強度が高い兵器なのは間違いないと思いますが……それでいて機動性や連携戦闘能力は損なわれていない……一体どんな技術を用いているんでしょう」


と兵器に対する実直な疑問を口にする。


「先史遺産を上回る技術……そもそもそんな物が存在している事自体由々しき事態です。

しかもそれを回収する指示……この背後には何があるのでしょう……」


アンナースも思わずかそうでないか、現状について疑問を口にする。

ブント側である筈の彼女がその指示に疑問を呈する、それ程にこの状況は異常な部分があるという事なのだろう。

そう話している間にも兵器は益々連携攻撃を仕掛け、攻撃が通じないコンスタリオ小隊を窮地へと追い込む。


「くっ、あの装甲には此方の攻撃が通じない……だとすると狙うべきはあそこね!!」


コンスタリオは内心でこう思うと兵器に接近し、其の関節部分を狙って格闘術を仕掛け、強烈な一撃を叩き込む。

すると其の部分は破損し、地面に鈍い音と共に崩れ落ちる。


「そうか……接合部分を狙えば良いんですね!!」


アンナースはそう言うと手に狙撃銃を構え、兵器の接合部分を狙って次々と弾丸を撃っていく。

其の弾丸は確実に接合部分を貫き、其の破損箇所から起爆して次々と兵器を破壊していく。


「この兵器……どうやら接合部分を狙われると脆い様だな」

「ええ……恐らく重量のある装甲を接合部分の柔軟性でカバーしているんでしょう。

だから其の接合部分を破壊されるとすかさず崩れていくという事よ」

「そして其の部分をカバーする為に連携戦闘もこなしている、だけどそれも完全じゃないはずよ!!」


コンスタリオ小隊がそれぞれ兵器についての現状を口にした後、シレットは


「サンダー・バースト!!」


というと扇形に雷撃を放ち兵器の接合部分を狙って残っている全ての兵器を破壊する。


「重装甲型の兵器……やはり拠点防衛用なのでしょうか?」

「まだ断定は出来ないけど、可能性としては高いわね。

そして、この中で複数の種類の兵器が製造されているのだとしたら、それも又この施設が如何に危険なのかという事の証明にもなる……」


シレットとコンスタリオの言葉により、この施設の危険性は更に高まる事となる。

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