第994話 終わらせる力
「つまり、エアロタウンは当初から戦乱を終わらせるだけの力を持っていた……だけどそれを使おうとしなかった、それは裏側組織がそう仕向けていたから……」
「或いはエアロタウン全体に他より進んだ技術を持っている事で技術面の優位性を持ちたいという下心があったのかも知れないわね、
何方にしてもこの兵器が既に量産されていた以上、それを此方の手中に収める事が出来たのは大きいわ」
「裏側組織に対する牽制にも見方によってはなりますからね、そうなればスターにもいい報告が出来るでしょう」
コンスタリオの言葉にシレットはいつもの調子で返していく、だがここでコンスタリオが
「そうか……スターへの連絡を忘れていた、スターに今回の一件を伝えれば又何か情報を送ってくれるかも知れないという事も失念していたわ」
そう言うとコンスタリオは部屋の情報端末を起動してスターへの通信文書作成を始め、それを無事に作成し終えると即座にスターへと送信する。
其の様子を見たシレットは
「コンスタリオ隊長……やはり少し可笑しい……何時もならスターの連絡なんて真っ先にしている筈なのに……」
とコンスタリオの様子を心配し、同時に不安も抱く。
一方、その文章を受信したスターこと星峰は
「コンスタリオ隊長から通信文章か……けど今回は何時もより遅い、それだけ盛りだくさんの収穫があったのか、それとも……」
と呟きながらその文章を確認する。
そして文章、更に添付されていたデータを見た星峰は
「これは……これがエアロタウンで生産されている機動兵器のデータなの……そうだとしたら!!」
というと直ぐ様立ち上がり、其の足を走らせて白の中を移動し、天之御の自室へと向かう。
そして扉を叩き
「入っていいよ」
という声を確認すると直ぐ様星峰は扉を開けて中に入る。
「随分焦っているようだけどどうかしたの星峰?君が慌ててくるという状況は余り良い予想は出来ないんだけど……」
「其の通りかも知れないわね、実際悪い方向に向かいかねない事実だから」
天之御の冗談めいた発言に対し星峰はそれに乗っかっているのかいないのか分からない様な言葉で返す。
だが其の顔は全く笑っていない、恐らく其の内容は事実なのだろう。
それをみた天之御の顔も
「……一体何があったの?」
という言葉と共に真剣味を帯びた顔になる。
「実はさっき、隊長からエアロタウンで入手したと思われる情報、データが送信されてきたので確認したんだけど……」
星峰はそう言うと其のデータを天之御に見せる。
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