第683話 二人の本性
「草原地帯ですか……確かにここで以前私達は魔神族と交戦したことがあります、このまま放置しておくには危険なエリアですね」
コンスタリオはそう返答し、司令とアンナースの顔を見る。その顔を見た司令の
「では、これから向かっていただけますか」
「ええ、先史遺産が関わっている以上、放置は出来ませんからね」
問いかけに対しコンスタリオは明確に承諾の返答を行う。
そしてその証明としてモイス、シレット共に司令室を後にし出撃口へと向かう。
コンスタリオ小隊が外に出たのを確認するとアンナースは
「虎穴に入らずんば虎子を得ず……とはいう物の、今回の一件でかなり厄介な事になったわね……」
と呟き、司令もそれに続けて
「ええ、まさか彼等にあの事を知られてしまうとは……しかも我々ブントの存在も吹聴されてしまった、それもこれも……」
と続ける。
「あの魔王がしゃしゃり出てきたから……と言いたいところだけど、もしかしたら魔王だけじゃないかもしれないわね」
そうアンナースが続けると司令は
「どういう事です?魔王がしゃしゃり出てこなければこんな事にはならなかった筈では?」
とアンナースの発言に疑問を口にする。
「魔王にその横槍を進言出来る存在がいるかもしれないって事よ、しかもそいつがコンスタリオ小隊と繋がっている可能性もある、そう考えるとそれを行えるのは……」
「スター・ボレード……ですね」
「ええ、コンスタリオ小隊に所属していたけどブエルス陥落時に魔神族の手に落ち、現在は何とか脱走して独自に調査、行動しているという事だけど……」
「魔神族の協力者となっている可能性も有り得るという事ですか……いえ、正確に言えば魔王の協力者ですね」
「そう言う事よ、そしてもしそうなら厄介な事になる。
今回の一件でブントの名をコンスタリオ小隊に知られた以上、スター・ボレードがブントの情報を流したらその刃は間違いなく私達に向けられることになる。
その前に身柄をこちらで確保したいのだけど……」
「当然、それが楽に出来るのであればこんな事にはなっていないと」
その後のアンナースと司令の会話は最早ブントとしての会話が隠されていなかった、もしコンスタリオ小隊がこの場に居たら一瞬でこの場が地獄となったであろう、そんな会話であった。
一方、出撃口に向かったコンスタリオ小隊は早速飛空艇に乗り込み、現場となる草原地帯へと向かっていた。
「彼等の発言、信用していいのでしょうか?」
移動中、ふとシレットがそう呟く。
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