第569話 狙われる理由
「今回の迎撃、星峰は俺の申し出を受けて出撃させてくれた……だがさっきの火口の時と言い何故俺達の故郷に立て続けに繋がっていたんだ?
単なる偶然と言えばそれまでだが……」
覚悟を決めた表情のまま、八咫は内心で感じていた疑問を口に出す。
だが八咫と同じ疑問を抱いているのは他にも居た、岬である。
「私達の故郷に立て続けに兵器が進行してきた……これは一体何を意味しているの?
単なる偶然?それとも……」
知らず知らずの内に八咫と全く同じ疑問を内心に抱く岬、やはり故郷が襲撃されたという事実は少なからず思う所があるのだろうか?
「もし、仮に私達の故郷を何時でも侵攻する準備をあの施設を制圧した奴が整えていたのだとしたら……これ以上の脅威になる前に取り除かなければならないわね。
今回の様な事態を招かない為にも」
そう語りながら岬の目は決意を新たにする。
故郷を守りたいという意思がそうさせるのだろうか、それとも……
そして翌日、天之御の収集命令により一行は何時も通り謁見の間に集まる。
「皆集まってくれたね、なら早速那智街に向かうよ。
既に現地の司令官に今回の一件は伝えてある、もし何かあったらバックアップはしてくれることになっているから」
天之御はそう告げ、まずは那智街を調査する事と既に現地の協力は取り付けている事を伝える。
其れを聞いた八咫は言葉にこそ出さないものの、何処か決意と覚悟を決めた表情を浮かべていた。
他の面々はそれに気づいたのか気付いていないのか分からない。それを判断する時間も無く天之御が一同を転移妖術で移動させたからだ。
転移妖術が終わると一同は那智街の中にある公園にワープしてくる。その場所を見た星峰が
「ここって……確か前回の調査時に……」
と言うと岬は
「ええ、地下に施設があったという公園だわ」
と言葉を続ける。二人の言う通り、そこは前回の調査時に八咫と豊雲が調査した施設への入り口があった公園であった。そしてそこに移動した事で天之御の考えている事も予測出来た。
「そう、二人の言う通りここの地下には何かの施設がある、その事は既に聞いている。そして……」
そういうと天之御は地下への入り口を操作し、階段を出現させる。
「つまり、天之御はこの施設が那智街を狙える状況にしていた原因であると考えているんだね」
確認するように涙名がそう問いかけると天之御は
「うん。司令官に確認を取ってみたけどここ以外に那智街が狙われる理由は殆ど無い、逆に言えばここはそれだけで狙われる程の何かがある可能性があるんだ」
とその考えを裏押しする。
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