第468話 激戦の地帯へ

しかし今度は流石に二回目と言う事もあってかその場に膝を着くような事は無く、何とか踏みとどまる。それが功を奏したのか否かは不明だが今度は周囲は気付いていない様だ。周囲が声をかけてこない事から八咫はそう感じ、内心で胸を撫で下ろす。


「星峰の言う通りだとするならここには兵士のデータはなさそうだね。機器のデータは既に採取したし、先に進もうか」


天之御がそう告げると一同は足早にその場を後にし、此処から更に先に行った場所にある兵器開発エリアへと向かう。だがその最中、星峰と天之御は時折八咫に目を向けていた。

目的地となる兵器開発エリアに到着するとそこは兵士育成エリアより物々しい雰囲気に包まれている。流石にここは平穏無事と言う空気ではない事は一同は容易に感じ取る事が出来た。


「兵器開発エリアですか……これまでと比べるといかにもな雰囲気が漂っていますね」


岬がそう告げると一同は周囲を見渡す。そこは見るからに工場を思わせる機会に囲まれ、火災でも起きようものなら只事では済まない、そんな空気が辺り一面に漂っていた。何が出てくるか分からない、そんな空気なので当然一同の顔も強張る。

そして当たってほしく無い予感程当たるのか、その工場から鈍い機械音が徐々に音量を上げて近づいてくる。


「どうやら、流石にここは平穏無事という訳には行かない様ね」


星峰がそう言って身構えるとその言葉通り、一同の前に迎撃用の兵器が多数出現する。それもこれまでにない数である。


「流石にお膝元だけあって結構な数がそろっているわね。でもこのタイプの兵器は!!」


岬がそう言って接近しようとするが星峰は


「待って岬!!迂闊に近づいちゃダメ!!」


と言って呼び止めようとするが急に止まれる筈も無く岬は兵器に接近し格闘術を叩き込もうとする。だが兵器は岬の格闘術を受け止めたばかりかすぐさま反撃に移り、岬の足を機関銃で打ち抜こうとする。身を逸らしてそれを辛うじて躱し、すぐさま体制を立て直すものの、格闘術に対しあっさりと対処されたことに岬は困惑を隠せない様子だ。


「どうして!?今までの兵器ならこうもスムーズに反応は……」


岬の困惑を声で察した空弧は


「やはり育成機器や生命と同様、この兵器もこれまでより上位の技術を用いられているの?」


と仮説を口にする。だが星峰は


「それだけじゃないかもしれないわ……」


と少し深刻な表情を浮かべながら口にする。


「それだけじゃないって、どういうことなの?」


その声に不安を感じずにはいられない岬がたまらず星峰に問いかける。

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