第441話 因縁の終焉へ

そして天之御達も交戦準備を整え、一行は空弧の血族と戦う。


「弱小な魔王の力等、我等にとっては蟷螂の斧当然!!さあ、来るが良い」


空弧の父は余裕たっぷりと言った顔で待ち構え、他の血族たちもそれに追随する。

それに対して動いたのは岬であった。


「なら、遠慮なくいかせてもらうわ!!」


岬はそういうと得意の高速移動で星峰を拷問していた兄とは異なる兄に接近し


「獄炎乱舞!!」


と言ってその兄に炎を纏った格闘術を次々と叩き込んでいく。それを受けた兄は


「ぐうっ……」


と言うと跳ね飛ばされて壁に激突し、その身に纏った炎を周囲にも広げていく。その炎は天之御達の怒りを表している様にも見える。


「な、何っ!?馬鹿な……これ程の力をこ奴等が持っているというのか!?」


空弧の父に近い女魔神族はその一連の光景を見て驚きを隠せない様子を見せる。どうやら空弧の血族が天之御達を侮っていたのは正真正銘の事実の様だ。


「ちっ、これは此方も遊んでは居られない様ね。ファイア・ブラスト」


空弧の姉か妹かはそう叫ぶと背面から九本の尻尾を出し、その先端から炎を一斉に放ってくる。だがその目の前に立ち塞がった八咫が


「黒羽の旋風!!」


と言うと目の前に風を巻き起こし、それを壁の様に集める。そして炎が当たった瞬間にその風を勢いよく空弧の姉か妹かに向けて飛ばす。すると風で煽られた炎は更に勢いを増し、放った空弧の姉か妹かに向けて返され、自らの炎で自らを焼く結果となる。


「きゃああっ!!くっ、惰弱な妹の取り巻きにしてやられるなんてね……」


どうやらこの魔神族は空弧の姉の様である。その言葉を聞いた八咫は


「取り巻きだと?ふん、品の無い表現だな。そこに性根ってやつが出てる様に見えるぜ」


と明らかに軽蔑した目で空弧の姉を睨み付ける。どうやら取り巻きと言う表現が相当気に入らなかった様子だ。


「ちっ、どうやらここは僕の出番の用だね」


そう言葉を発したのは星峰を拷問していた空弧の兄だ。その言葉を終えると何やら怪しげな言葉を呟き始め


「怨霊呪縛!!」


と言って部屋全体を黒い靄の様な物で包み込もうとする。それを見た空弧が


「いけない!!あの妖術は……」


と言いかけるがその時星峰が


「弧妖剣術……金色の反転!!」


と言うと空弧の兄が出現させた黒い靄を全て自身に吸収し、その上で自身の体を金色に輝かせてそれを剣の力として空弧の兄に向けて放つ。それを受けた空弧の兄は


「な、何っ……ぐあああっ……」


と言って壁に吹き飛ばされる。

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