第340話 悪霊再来
「アンナース、貴方達がこれまで調査した先史遺産の遺跡にはこうした場所は存在しなかったの?」
シレットがそう尋ねるとアンナースは
「はい。それどころかこんな施設があった事もありませんでした。あくまで兵器とそれを運用する前線基地らしき建物のみです。こんな実験室まで兼ねている施設は見た事がありません」
こう答える。その顔や口調は先程コンスタリオ小隊が気付かなかった時とは異なり、芝居がかってはいない。彼女自身もここまでは考えていなかったのだろうか?その時
施設内の何処かから爆発音が響き、同時に何かが崩れる様な音も聞こえてくる。
「今のは……爆発音!?しかもこの建物の中からだわ!!」
コンスタリオがそう叫ぶと同時に目の前を多数の兵器が通り過ぎていく。それを見て
「兵器が多数動いているぜ!!爆発のあった場所に向かってるんじゃねえのか?」
「ならチャンスですね、この隙に奥に進めます」
モイスとシレットがそれぞれの私見を告げ、コンスタリオとアンナースもそれに黙って頷く。その隙を突き、一行は更に奥へと向かっていく。だがコンスタリオの内心は
「今の爆発、一体誰が何の為に……私達の部隊がやったの?それとも……」
と言い知れぬ不安に満ちていた。その不安が問題を呼び寄せてしまったのか、一行の目の前に更なる兵器が出現する。
「くっ、別の兵器が……」
シレットがそう言った次の瞬間、目の前の兵器は
「ココカラサキ……トオサナイ!!」
と明らかな声を発する。その声を聞いた一行はその表情を困惑させる。
「えっ……今、この兵器……」
シレットがそう言いかけるとモイスも
「ああ、明らかに声を発していた……」
と続ける。二人ともその声には動揺が混じり、震えが入っていた。その震えを表すかのようにコンスタリオ小隊を靄が包み始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます