第341話 包み込む敵意
「な、何!?この靄は……」
これまでに見た事の無い行動に困惑し動揺を隠せないシレット。その動揺に追撃をかけるかのように周囲の兵器は
「ココカラサキ……トオサナイ」
「敵を殲滅……我らに勝利を!!」
等の明確な発言を次々と行う。
「明確な発言をする兵器等、私達も見た事がありません。これは一体……」
アンナースも困惑を隠せない様子を見せる。どうやら彼女も初めてなのだろう。前例のない明確な言葉を発する兵器にコンスタリオ小隊は警戒感を強める。
「何れにしろ、このまま黙って見逃してくれるわけではなさそうな雰囲気ね……皆、気を付けて!!」
コンスタリオがそう告げるのと同時にその不安を実現させようとしているのか兵器が攻撃を仕掛けてくる。コンスタリオ小隊は回避に成功し反撃に出るものの、その反撃も又回避されてしまう。
「何なんだ、この兵器の動き!?明らかに今までの兵器と違う……」
一連の流れを見てシレットとは又違う困惑の声を上げるモイス、これまで見せた事の無い的確な行動を意思の無い筈の兵器が行ったという事実はその困惑を説明するには十分すぎる物があった。
「こちらの動きを見て行動を変えてくる……これじゃまるで機械じゃなくて意志ある人族……」
アンナースは困惑しつつも両手に銃を構え、その銃を用いて的確に兵器の急所を撃ち抜いていく。その結果兵器は一体、又一体と確実にその動きを止めていく。その活躍もあり、兵器の全滅と共に靄は晴れ、周囲は先程までの施設の中に戻るがこれまでとは全く異なる兵器と交戦したという事実はコンスタリオ小隊の内心に確実に不安を落としていた。だが今の彼等に立ち止まっている時間はない、それを承知しているが故、一同は何も言うことなしに先へと進んでいく。そして先に進んでいくとそこでまた別の部屋を見つける。
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