第337話 裏で蠢く悪意

モイスが放った弾丸により、その場に居た兵器は全て穴が開き、機能を停止していた。それを確認するとモイスは険しかった顔を緩め、安堵の表情を見せる。


「何とかやられるのは防げたか……だが」

「ええ、今の兵器は明らかにこれまでの兵器よりも格上の性能を持っていた。となるとここから先には何か重要な物があるのかもしれないわね」


肩でしていた息を口に戻しながら語るモイスにコンスタリオも言葉を続ける。そこにアンナースが駆け寄り


「なら、一刻も早くこの先の調査を行う必要がありますね。この兵器の回収は他の部隊に任せ、私達は先に進みましょう」


とコンスタリオに進言し、その進言を受けたコンスタリオも


「そうね、それが得策だと思うわ。行くわよ!!」


と言ってその場から移動を開始する。コンスタリオ小隊がその場から移動した後

、アンナースは端末を取り出し


「……目的の候補地の一つを特定、近くに彼等が破壊してくれた兵器多数。それらも含め、調査と回収を」


と端末越しに何者かに連絡を取る。その表情は淡々としている様でどこか不気味な笑みを浮かべて居る様にも見え、得体の知れない印象があった。それを終えるとコンスタリオ小隊の後を追う様に走り出す。

暫く移動し、アンナースがコンスタリオ小隊に追いついた際、コンスタリオ小隊はまたしても兵器と交戦していた。アンナースはすかさず銃を取り出し、兵器を撃ち抜いてコンスタリオ小隊に加勢する。その加勢に連携を乱したのか、兵器の動きが乱れた隙をついてコンスタリオ小隊は一気に反撃し、その機能を停止させる。


「又兵器が出てきたんですね、一体何処から……」


アンナースがそう言いかけるとコンスタリオは


「それは恐らくここからよ」


と言って目の前にある何かを指差す。

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