第335話 迫る危機のカウントダウン
「元々の体の持ち主……一寸待って!!じゃ、その技術の出所は……」
「うん、ブントの技術だよ」
涙の発言に思わず動揺した声を上げる天之御、それに対する涙名の返答は冷静であるようにも思える。だがその奥には俄かにではあるが確実に何かが隠れていた。それは怒りか、それとも……
「つまり、ブントは独自の技術を支給された端末に勝手に組み込んでいるって事か。ちっ、お気に入りを勝手に汚されたみたいで腹が立つぜ!!」
「しかもその機能の存在は外部に流出しない様に特殊な裏コードを使わないと解放されないようになってる。だから不審者の端末を押収しても簡単には判別出来ない」
表情に怒りを浮かべる八咫と解説を続ける涙名、だがそこに天之御が
「でも涙名、君は何時この事に気付いたの?」
と見逃せない部分に目を向ける。すると涙名は
「人族との膠着状態の間、少しでも情報を整理しようと思って端末に情報を入力していく過程で見つけたんだ。入力していないはずのデータが既に登録され、更にそれがブント製の技術だったと言う事に。
それで独自に調べてみたら判明したんだ。だけどまだ情報は収集途中、故に伝えられなかったんだ」
と入手した過程を説明する。それを聞いた天之御は一瞬難しい顔を浮かべるものの、直ぐに元の顔に戻し
「その件についてはこの戦いが終わってから更に聴く事にするよ。今はそれよりもこの戦いを終わらせる事が先決だ!!」
と現状の終結を優先させる事を決める。だがその直後涙名が
「ありがとう……待って!!都市の防衛戦力から明らかにこれまでと違う反応の兵器が出撃してる、そしてその移動先には複数の人族部隊が居るよ!!」
と大声を上げる。それを聞いた星峰が
「と言う事はつまり、その進路上か、或いはその地点その物に何か重要な物があるって事なのでは!?」
と告げると涙名は
「多分そうだと思う。でもここからじゃ移動しても間に合わない……どうする!?」
と現状の危険性を告げ、動揺した顔と声を上げる。
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