第331話 守る為の力

「おまけに先陣を切っているのはコンスタリオ小隊、こうなると例の接触も考え直さざるを得ないわね」


人族部隊にコンスタリオ小隊が含まれているのを確認し、落胆とも厄介ともとれる表情を浮かべる星峰、その心中を察したのか


「兎に角、今は現状出来る事をやるしかない。ここでじっとしている訳には行かない。動き出そう」


天之御はそう言い、一同に移動する様に促す。それはそこに留まっていては悪い思考の螺旋に捕らわれかねないという懸念を払拭する為でもあった。そして先へと進むが、そこに遺跡の防衛兵器が現れ一同に攻撃を仕掛けてくる。


「こんなところで時間は消耗出来ない!!」


そういうと星峰は先陣を切り、兵器の放ってくる銃弾をよけつつ接近して剣で兵器を突き刺し、その動きを封じ込めていく。だがその直後


「ねえ、星峰。気付いた?今の兵器……」


と空弧が星峰に訪ねる様に話しかける。それを聞いた星峰も


「ええ、射撃制度、本体の装甲、恐らく性能全般が先日地下で交戦した兵器よりも高いわね」


と返答し、それに空弧が頷く事で話したい内容が兵器の性能であることをお互いに確かめ合う。


「性能全般が高い……と言う事はやはり防衛兵器である為により高性能な物が配備されているのでしょうか?」

「その可能性もあるわね。みて、油断は出来ないわよ」


岬の疑念に答えつつ、周囲の壁を指差す星峰。その先には先程動きを止めた兵器が撃ってきた弾丸の跡が残っていた。その穴の周囲には亀裂が走り、貫通力の高さを物語っている。


「弾丸の威力もこれまでより上って事……か。だとしたら尚の事これを放置は出来ないね」


天之御はそういうと転移妖術を使い、動きを止めた兵器を全て何処かへと転移させる。だがその直後


「こっちから銃声が聞こえたぞ!!」


という人族の声が聞こえてくる。それを聞いて天之御は


「気付かれたね、急ごう!!」


と言い、一同を急いでそこから移動させる。

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