第298話 忌むべき門番

その先にある階段を上がり、先へと進む三人だがその先にあったのは地上への出口ではなく先程までの兵器よりも一回り以上大きい兵器だった。更に悪い事に兵器は既に起動し、攻撃態勢に入っている。


「くっ、やるしかないみたいね……」


コンスタリオはがそういうと三人は戦闘態勢をとり、兵器が右手に装備している鉈を振るってくるのを交わすと交戦を開始する。まずはモイスが距離を取って両手の銃を兵器の中心に当てていくが兵器は怯む事無く的確にモイスの居る方に向かって左手の槍を突き刺そうとしてくる。距離がある故に回避は出来ているものの、当たっただけで体を貫かれてしまいそうな勢いだ。


「くっ、効いているのか……」


兵器であるが故に反応が無く、攻撃が聞いているのかどうかも分からない。そんな状況に少々苛立ちを覚えるモイス。


「サンダー・シュート!!」


反対側からはシレットが雷撃の魔法を放ち、兵器の接合部分を攻撃しようとするが悉くずらされ弾かれてしまう。更にそれが当たる度に下に装備された機関銃の反撃を受けてしまう。直撃は避けているものの、何時被弾しても可笑しくない正確さだ。


「つっ、こいつ……でも、もしかしたら?」


考えが浮かんでもそれを実行に移せるのかどうか分からない、そんな状況に陥りつつあった。


「ええいっ!!」


コンスタリオは正面に立ち、兵器が振るってくる鉈を回避しつつ格闘戦に持ち込んでいこうとする。だが只でさえ得物の有無でリーチに差があり、更にただ打撃を与えてもびくともしない兵器に対して格闘戦はあまり有効な戦術であるとはいえず、効果的にダメージを与える事は出来ない。


「くっ、このままでは……」


徐々に消耗していく現状を悟るコンスタリオ、だがそれを打開する劇的な案がそう簡単に浮かぶ筈も無く、徐々にその顔に焦りが見え始める。

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