第242話 大罪の証明

「防衛戦力もここで作られていたんですね……とい滞在のsyう事はつまり、ここを何とかしないと!!」


岬はそういうと兵器に接近し、得意の格闘術で次々と粉砕していく。更にその残骸や破片を製造ラインに当てて施設にもダメージを与えていく。


「ああ、防衛戦力の脅威は取り除けねえ!!黒羽の五月雨」


八咫もそういって羽を雨の様に降り注がせ、その先端を鋭く尖らせて製造ラインごと兵器を破壊していく。この二人の活躍により密集してきた兵器は瞬く間にその数を減らしていく。そして一通り片づけ終わった後、残っていたのは無数の残骸のみとなっていた。


「これで製造ラインは破壊出来ましたね。で、ここでは何か分かった?」


岬がそう星峰に聞くが星峰は


「駄目ね。ここはあくまで生産のみを行う場所であってデータの管理を行う場所ではないみたい。ここにはデータは存在していないわ」


と機械を操作しながらいう。星峰の言う通り、ここにある機械は全て生産ラインの管理用であり、製造された兵器のデータは全く記録されていなかった。


「ならこんなところに長居は無用だね。生存ラインが他にも存在している可能性もある以上、早く次に向かおう」


天之御に促され、一行は外に出て先へと進んでいく。だがそれ以上捜索してもデータルームや生産ラインは発見出来ず、他に目ぼしい物も無かった。


「ここには他に何もないみたいですね。これだけ捜索しても何も見つからないという事はここは兵器と……それからワンカーポの住民の生産施設、そしてあの兵器は個々の防衛戦力が何らかの理由で侵攻してきた物、そう考えるのが妥当な線ですね」


内部を一通り調査し、入り口に戻ってきたところで星峰がそう告げる。実際他に何もなかったのだから星峰の意見に異を唱える者は居なかった。


「うん、だけどその二つの、特に後者については保管兄もなかったことを塞いで余りある収穫だよ。いや、収穫と言っていいのかどうかは分からないけどね」


天之御も星峰に続けて言葉を発する。だがその中には明らかに少しではあるが確実に怒りが感じられた。他の面々もそれを悟ってはいるものの、どう声をかければいいのか分からずただ口を噤む。


「兎に角、一度豊雲の所に戻って情報を共有しよう」


天之御はそういうと転移妖術で一同を豊雲の居る場所へと転送し、目の前に居た豊雲に今回の一件について余す所なく説明する。

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