第154話 新型機投入
大型飛空艇の移動速度は速く、全自動と言う事もあって僅か数分で戦場に到着することが出来た。
「戦況はどうなっているの?」
コンスタリオがそう言うとレーダーを確認したシレットが
「膠着状態の様ですね……両軍とも部隊の展開は既に終えていますが相手の出方を伺っている。そんな風に見て取れます」
と告げる。それを聞いたコンスタリオは
「だとすると、このまま防衛部隊と合流するよりも此方から先に仕掛けて敵の隙を突く方がいいわね。モイス、人族部隊に通信を繋いで」
と作戦を口に出し、それを聞いたモイスは
「了解!!直ぐに伝達する」
と言って防衛部隊に通信を繋ぐ。そして防衛部隊が通信に応じ
「貴方方がキャベルからの応援ですね、感謝します。ですが我が方は現在敵の出方を伺っており、どう動くべきか思案中なのです」
と司令官らしき女性が話すとコンスタリオは先程の提案を説明し、それに対する指揮官らしき女性の返答を待つ。その返答は
「了解しました。では、そのように動きます」
と当然の様に賛同するものであった。だがコンスタリオは見逃さなかった。指揮官が賛同するまでに一瞬ではあるが間が開いた事を。単なる思案とも思えるが、コンスタリオはその間に何か引っ掛かりを覚える。だが今は作戦が優先と思考を切り替え、そのまま飛空艇を地上に降ろし、新型兵器を前線に出しつつ自身達も魔神族部隊に突撃していく。
一方、兵器が視界に入った魔神族部隊は
「な、何故あれが我が方に……」
「ええ、今は仕方ない、迎撃を!!」
と完全に虚を突かれ全く無防備な状態を晒す事になり、そんな状態で新型兵器とコンスタリオ小隊を止められる筈も無く、更に別方向から侵攻してきた人族部隊に挟撃され、瞬く間に殲滅されることになる。
「凄い!!今までの兵器より全ての面で上回ってる。やっぱり新型なのね」
魔神族部隊の殲滅に成功した後、シレットが又興奮気味に叫ぶ。そんなシレットを横目にコンスタリオは
「救援が間に合って何よりです。又ご縁があれば出会いましょう」
と防衛部隊司令官に告げ、司令官も
「こちらこそ宜しくお願いします」
と告げて去っていく。だがコンスタリオの安堵の表情とは裏腹に女性司令官が浮かべた笑みは何処か苦々しげであった。そしてこの一部始終を遠くから見つめる影があった。その主は星峰である。
「あれが本格的に量産されれば確かに脅威になるわね……」
そう星峰が呟いた直後、天之御達が駆け寄ってくる。
「星峰、どうだった?」
駆け寄ってきた空弧がそう話しかけると星峰は
「全く持って予想通りよ。まあ、詳しくは帰ってからでいいかしら」
と告げ、それを聞いた天之御は
「僕達もそれがいいと思う。こっちも色々話したいからね」
と告げ、転移妖術でブエルスへと戻っていく。
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