第152話 拭えぬ不安
キャベルに到着したコンスタリオ小隊は大型飛空艇が着陸出来る場所を探し、城の庭に着陸させる。そして光学迷彩を解除すると突然何かが現れた事に城内は騒然となるが中からコンスタリオ小隊が降りてきた事でそれが例の新兵器であると周囲は理解し騒動は早々に収束する。だが当然コンスタリオ小隊には
「新兵器を受け取って舞い上がっているのか、それともまだ使い慣れていないのかはあるが、今後はこうした騒動は起こさない様に細心の注意を払ってくれ」
と言う兵士長からの注意が待っていた。それを受けたコンスタリオは
「迂闊でした。今後は注意いたします」
と言い、シレット、モイスと共に兵士長に頭を下げる。それを見た兵士長はそれ以上責める事はせず
「なら良い。それはそうと、あの新兵器は戦力になるのか?」
とコンスタリオに聞く。兵士長に尋ねられたコンスタリオは
「飛空艇の方はなると思いますが、兵器の方は一度実践に投入してみないと何とも言えません。ただ、現状の予測では恐らく従来の兵器以上の活躍は見込めると思います」
と返答する。その返答に兵士長は
「そうか……ではスパイの方はどうだ?実際にワンカーポ内に潜入している可能性はあるか?」
と議題をスパイの話に変える。だが切り替わった途端に三人の顔が険しくなったのをみた兵士長は
「どうした?まさか実際に交戦したのか?」
と少し不安げな声を思わず出してしまう。その声でワンカーポへの疑念が顔に出ていた事に気付いた三人ははっとしたものの、今更言い訳も出来ないのと思ったのか
「実は……」
と言うモイスが口火を切ったのを切っ掛けにワンカーポに抱いている疑問点を話し始める。それを聞いた兵士長は
「成程……スパイが潜入していたとしてもそれにすら気付かない可能性があるという訳か」
と言い、その発言に三人は黙って頷く。誰も他者に関心が無い、そんな環境でスパイがどれほど活動しやすいかは考える間でも無い事だった。そしてコンスタリオは
「スターが入手したというスパイの情報、その真偽の程は分かりませんが、ワンカーポとは必要以上に接触しない方がいいかもしれません。根拠はありませんが……」
と内面の不安を思わず吐露し、ポケットに偲ばせていたスターからの連絡文を握りしめる。その不安を顔で察したのか、兵士長は
「分かった。とにかく今日はもう休んでくれ。今後の行動に関しては又改めて伝える」
と言い、コンスタリオ小隊に休む様に指示しその場を解散させる。
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