第148話 イェニーとの面会

そうした光景に目を奪われるコンスタリオ小隊の前に小さなモニター付きの小型球体が飛んでくる。その球体はコンスタリオ小隊の目の前に着くとモニターにイェニーの姿を映し出し、そのイェニーは


「皆さん、お待ちしていましたよ」


と告げる。どうやら通信機能付きの小型機械の様だ。


「イェニーさん?これは……」

「おっと失礼、此れも我が方で新たに開発した映像送信機能付き通信機械です。まだそれほど数は揃っていませんが、行く行くはこれを用いて各地の戦場をリアルタイムで中継出来る様にしたいと思っています」


シレットが驚いた顔をして問いかけるとイェニーは理路整然と答える。


「では、私のいる場所までご案内します。この機械についてきてください」


イェニーを映した小型機はそういうと映像を出しながらコンスタリオ小隊を案内していく。街中に大きな疑問を抱いているコンスタリオ小隊だが、この状況でうろうろするわけにもいかずその機械の案内に従って足を進めていく。その道中にmお様々な人とすれ違うが彼等は顔を合わせても会釈すらせず、ただ通り過ぎていく。こうした状況でなければその態度に文句をつけたくなる様な状況だ。

どこか腑に落ちない疑問を抱きつつも一向は機械に案内され、首都の城らしき建物へと案内される。そして中に入るとそこも又不愛想な兵士が無言で扉を開け、その扉の中にコンスタリオ小隊が入っていく。

城の中に入っても機械の案内は続くが、遂にそれがとある扉の前で止まる。その扉をコンスタリオが開けるとそこは闘技場の様な広い空間であった。当たりを見渡そうとしたその時


「皆さん、お待ちしていましたよ」


という声と共にイェニーが目の前に現れる。


「貴方が……イェニーさん?」

「いかにもその通りですが」


コンスタリオが問いかけるとイェニーはそう答え、そのまま


「さあ、早速本題に入りましょう」


というと手元のリモコンを操作する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る