第114話 喜びの一時

「シレット!!」


モイスとコンスタリオが揃って叫ぶとシレットは


「歓喜は嬉しいですが、それと話は後です!!今は」


と喜びにはやる二人を諭しそれを聞いたコンスタリオは


「そ、そうね。今は魔神族の迎撃を!!」


といい、魔神族を迎え撃つ状態を整える。そこに後方の部隊からの砲撃が着弾し、シレットの更に背後に居た魔神族の兵士をその爆発で吹き飛ばす。突然の援護に戸惑うモイスだがそこに


「何をしている!!早く彼女を連れてこちらに合流しろ。前線に出過ぎているぞ!!」


という兵士長からの叱責が通信で響き、それを聞いたモイスとコンスタリオははっとした表情を浮かべた後シレットを連れて後方部隊の方へと走る。その間も砲撃は続き、魔神族の兵士は瞬く間にその数を減らしていった。


「全く、荒っぽいわね」


コンスタリオがそう呟くがシレットは


「そうですか?私は何時もこんな感じだと思っていましたが。私が居ない間に刺激が遠ざかったんですか?」


と軽口をたたいて見せる。それを聞いたモイスは


「うん、この軽口は本当にシレットだな」

「一寸、私が偽物だって言いたいの?まあ、スターの一件もあったから仕方ない部分もあるけど・・・」


と軽口をたたき、シレットの頬を膨らませさせる。そのやり取りが終わる頃、コンスタリオ達は人族部隊に合流しする。だがその時、魔神族は既に戦力の大半を失い撤退していた。それを見たコンスタリオは


「やはり・・・何か違和感があるわね・・・」


と冷静さを取り戻し、そう分析する。そこに兵士長が近付き


「シレット、まずは帰還を喜ばせてもらう。だが何故ここに?」


と質問を投げかける。するとシレットは


「皆さんと同じ通信を受けたからです。但し、私に対しては匿名ではありませんが」


と返答し、その通信記録を見せる。それを目にした兵士長、モイス、コンスタリオは


「こ、これは!?」


と驚愕する。

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