第33話 罠?それとも・・・
移動車が配置に着き、兵士長から作戦の詳細が説明される。その内容は現在出てきている敵集団を一部の部隊で排除、その後移動車で施設入り口まで一気に接近し、残る部隊で突入、制圧するというものであった。
「一部の部隊で排除か・・・しかし、敵施設の迎撃戦力はそれが出来る程度の物なのか?」
これから敵の重要施設に向かうのに戦力を分散する、その点についての疑問は最もであり、そう口にしたスターにコンスタリオは
「ええ、上空部隊からの報告ではそれが可能なレベルみたい」
と返答しつつも同じ疑問を隠し切れなかった。
「兎に角、俺達の出番は後半戦なんだ。今は見守ろうぜ」
モイスのお気楽とも励ましともとれる発言に他の面々もふいに頷く。そして開戦し、人族の部隊は魔神族迎撃部隊を移動車からの砲撃や直接戦闘で蹴散らしていく。その勢いはよく、流れは人族側に傾いていた。そして粗方の迎撃が終わるとコンスタリオ達を乗せた移動車を初め、突入部隊が移動を開始する。
移動車に搭載されている砲台の発射音が鳴り響く中、コンスタリオ小隊はそれらを掻い潜って目的の施設の前に辿り着く。だがここまで来ても、いや、ここまで来たからこそスターの脳裏には
「もし・・・もしこれが仮に罠だとしたら、この施設は・・・」
と言う疑念が浮かんでいたが、浮かんでいてもそれを証明する方法がない以上、作戦を遂行する他に選択肢はなかった。
正面入り口に着くと、さっそく迎撃部隊が現れる。
「手厚く歓迎してくれるみたいね」
「ああ、だがその歓迎はさっさと終わらせてもらうぜ!!」
それに答える為にシレットとモイスが交戦体制をとる。
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