第17話 新たな開戦

その時、城内に鐘の音が鳴り響く。


「この音色は・・・非常事態宣言の!?」


シレットがそういうと一同は直ぐ様部屋を飛び出して城の入り口に向かう。するとそこには他の兵士達も集結していた。


「今回非常事態宣言がなされたのは先程本城より東にあるボーデン・タウンより本城に向けて進撃する魔人族の部隊が確認出来た為だ。空中部隊の監視により直ぐ様見つける事が出来たが既に戦力を整えている猶予は無い。

よって、此方も直ちに迎撃に向かう必要がある」


集まった兵士達の前で兵士長が宣言すると兵士達は直ちに移動車に乗り込み、魔人族の進撃予測地点に移動する。その移動の最中コンスタリオは


「空中部隊・・・実在していたとはね・・・」


と呟く。


「敵の直接の迎撃では無く、監視や偵察を専門に行う部隊。その特殊性故に一般兵士ではその存在すら知らされていない。先程の兵士長の宣言が無ければ俺達も知りませんでした」

「一体どんな奴等なんだろうな?」


スターがコンスタリオに続くとモイスは不意に疑問を漏らす。


「確かに気にはなるが、今はそれを言っている場合では無い。直ぐ様出撃したという事は敵は間近に迫っているという事だ」

「ええ、それにもし敵が本気で攻めて来るのだとしたら・・・」


コンスタリオがそう言いかけた時、各車両に搭載されている通信機より


「各員に告ぐ、敵戦力の中に先日スター中尉が交戦した大型魔人族を数体確認した。戦闘能力は通常の魔人族の数倍と想定される。心して書かれ」


と言う兵士長の通信が流れてくる。それを聞いたコンスタリオは


「つっ!!言ってる傍から来たわね!!大型魔人族・・・」


と焦りを顔に出し


「あれが既に数体か・・・厄介だな」


スターは冷静に呟きつつも不安をよぎらせていた。


空中部隊によるビーコンの案内の元、交戦予定地域に到着したスター達だが既に魔人族の部隊は目前にまで迫っていた。


「ここからでも大型魔人族が見えるな、今の内に撃っとくか?」

「止めておきなさい。あの大きさだと銃弾の一発二発では仕留められないわ。それにあの数だと足を狙うのも難しい」


モイスは銃を構えようとするがコンスタリオが制止する。そうしている間にも魔人族との距離はどんどん縮まり、愈々エンカウントする。


「各兵、攻撃を開始せよ!!」


兵士長のその言葉に兵士は魔人族と交戦し始めるのであった。

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