第14話 スターの疑問

自室に戻ったスター、だがやはりその顔は浮かない。そして机に座り、今回の記録を見ながら


「やっぱり・・・可笑しい・・・」


と呟く。


「何が可笑しいの?」


その声と共に扉が開き、ルイナが中に入ってくる。


「ル、ルイナ皇・・・」

「だ~か~ら~二人の時は継承付けないでって言ってるでしょ!!」


驚きながらルイナの方を向くスターに若干頬を膨らませながら不満を口にする。


「それで、どうしてここに?」

「スター兄の事だからきっと何か考えてるんじゃないかと思って。それで眠れなくなったりしたら大変だから」


ルイナの発言にスターはやれやれと言った仕草を見せる。


「その仕草をするって事は、やっぱり何か腑に落ちない点があるって事だね」


そう言われて少しの沈黙ののち、スターは口を開く。


「ああ、そもそも今回の侵攻は正規軍が先に仕掛け、その結果戦力が減少した事で敵に付け入る隙を与えた・・・と考えれば筋は通るように見えるが、どうも腑に落ちない。敵の行動がスムーズすぎる事、そして二つのタウンの攻め方が全く異なっていることが」

「攻め方が全く異なっている?」

「そうだ、俺達が迎撃した魔神族は明らかに正面からの突破以外の策を考えていなかった。だが向こう側の戦略は明らかに策に基づいて行われている。そうでなければ住民や建物に被害を出さないようにしつつ制圧するなんてことはできないからな。

かといってどちらかが陽動、どちらかが本命という攻め方をしているのかと言えばそうでもない。戦力がほぼ半分に分割されている事、指揮官が来ていたことから考えて」

「つまり、今回の侵攻は単なる侵攻ではなく、裏にもっと根深い何かがある、スター兄はそう考えているんだね」


ルイナの総括に頷くスター。


「だとすると、もしかして正規軍の行動も?」

「可能性としては考えられるな。内通者・・・考えたくはないが」

「今後の流れ次第ではそのケースを考えざるを得ない・・・か。とにかく今は正規軍がどう動くか、こちらからも注視しておく必要がありそうだね」


ルイナはそういうと立ち上がり


「じゃ、無理はしないでゆっくり休んでね」


と言って部屋を出ていく。それを見届けたスターは


「そうだな・・・少し休むか」


と言ってシャワーを浴び、ベッドに横になるのであった。

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