エターナル・パラダイス~永久の楽園~
日常演舞
第1話 楽園の序章
エターナル・パラダイス。その名前とは裏腹に世界は半世紀以上も戦乱の最中にあった。
この世界に住む二つの種族、人族と魔神族(ましんぞく)の争い、その発端は今や分からない。ただ、戦争に負ければ未来が無くなる。その確定した事実が双方を動かし、一進一退、一歩も譲らぬ攻防が繰り広げられている。
ある時は負け、ある時は勝ち、そして現在、双方の勢力はほぼ半々、世界を二分するに至っていた。
そんなある日の事
「はあっ・・・はあっ・・・」
暗い夜道をただ只管に駆け走る幼い男の子が居た。その息は荒く、走る事以外に目が行っていない様子だ。
遠くからは金属音や銃撃音、爆発音等が飛び交っている。大きく派手な音だが、それが楽しい祭りの音では無い事は確定していた。男の子はその音から遠ざかるように走っていく。その手には幼子には到底不相応な大きさの片手剣が握られていた。
段々と意識が朦朧としてきたのだろうか、男の子の足取りがおぼつかない物になり、何時倒れても不思議ではない状態となっていく。
「あっ・・・」
そう言って男の子が倒れこみそうになったその時、その手を誰かが掴み
「大丈夫!?こっちだよ!!」
と言って男の子の手を引き、そのまま何処かへと走っていく。男の子の意識は朦朧としており、自身の手を引いているのが一体何者なのか、その顔を見る事すらままならない。見た目は自分より少し背が高い、それ程の差は無い様に見える。少なくとも大人ではないことは明白だった。
そしてとある場所に出た時、少年の意識は途切れその場に倒れ込む。
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