ロボ研
@hasegawaplan
第1話
タイトル 『ロボけん(非公認)』
【1話】
○遊園地のバーチャルロボットバトルゲームに女子中学生が
体長3メートルのロボットに搭乗。
もう一人の女子中学生はヘッドホン型の通信機を付けて外から応援。
その子は髪の後ろに大きなリボンを付けている。
500円を入れると
360度のパノラマ画面に戦場が映し出されてゲームがスタートする。
愛奈『愛奈いきまーすっ!』
リボン『ちょっと・・・その掛け声恥ずかしいからやめて!』
愛奈『いいじゃない。ハイなんだから!』
リボン『もう・・。愛奈!6時の方向に敵!!』
愛奈『え?もう6時?』
どごぉぉん・・・。
○所は変わり、ある一室に座る女性の後ろ姿に相対する立ち姿の男性。
スーツを着ていて賢そう。本職は未来人(みらいびと)のスカウト。
※ここは未来の地球で氷河期を迎えほとんど人がいません。
そこで氷河期を終わらせる知恵を持つ未来人を探すためにスーツの男性は
過去と現在を行き来しています。
座る女性の輪郭は一部しか見えないので顔がよく分からない。
部屋の丸い窓からは氷の世界と吹雪の音。
謎の女性『未来人は見つかりましたか?』
スカウトマン『申し訳ありません。また1人に声をかけたのですが・・』
謎の女性『そうですか・・』(残念そうな低い声)
○再び遊園地。遊園地のゲートを後にする2人
愛奈『また財布がすっからかん(笑)』
リボン『ねえ、愛奈、あのポスターって!』
○遊園地の大きな丸い柱にロボットバトル大会のポスター
愛奈『今年もやるんだね。1回出てみたいな~。優勝賞金1億円だよ?』
リボン『2人の夢だもんね。この大会に出るの・・』
愛奈『リボンちゃんの家のロボット借りれないかな?(笑)』
『うちのは商売用だから無理だよ。出場したいと思って
寄せ集めで作った私の機体が1機あるけど
OSが市販のだから部品の重さが左右非対称でへんてこな動きしかしないよ・・・。
大会の検査に落ちるよ。絶対!』
愛奈『ん~・・。たしかにあれは右足だけタイヤ付いてるから
転んで負けるよね・・。でも、OSを手直しできればいいわけだ!』
リボン『そんなプロみたいな事できないって・・』
愛奈『いるじゃないうちのクラスに全国模試毎回満点の凄い子が』
○次の朝、中学の教室にて、座るメガネの美少女に話しかける愛奈とリボン
愛奈『ねえ、お願い!最初だけでいいから!夏休みに入るまでパンおごるから!』
メガネ『私、利用されるの大嫌いなの。それに、お願いするなら手作りのパンとかでしょ?』
メガネ『パンなんか作れないだろうけど』
リボン『もういいよ!愛奈!嫌がってるから・・』
愛奈『・・』
○次の日の朝、同じく教室にて
愛奈『ねえ!これ!食べて!』
メガネ『昨日言ったのは事のたとえで手作りパンなら受けるという意味じゃあ・・』
愛奈(セリフの途中で)『お願い!せっかく作ったから!』
メガネ(ため息)『・・・』(一口食べる)
メガネ『イースト忘れてる』
愛奈『イーストって?』
メガネ『あの・・パンの作り方をパソコンで調べてみたら?』
愛奈『メガネちゃんって色々知ってるんだね。すごいなー』
メガネ『言っておくけど、美味しいパンが作れても手伝わないから!』
○次の日の朝教室にて
愛奈『あの・・』(申し訳なさそうに手作りパンを差し出す)
メガネ(半笑い)『いい加減にしてくれる?』
愛奈『これ、食べてくれたらあきらめるから』(寂しそうな顔で)
メガネ『うん。美味しくなったね』(興味なさげに)
愛奈『ありがとう。友達に教わったの!』(少し笑う)
メガネ『そう・・』
○引きの図で沈黙
○夜。メガネ少女の自宅のリビングでメガネ少女は回想する
(愛奈の過去のセリフ)『ありがとう。友達に教わったの!』
メガネ『友達か・・・』
(幼少期の思い出のシーン)
メガネの友達Aがメガネに『ねえ、ノート貸して!』
友達Bがメガネに『この問題どうとくの?』
友達Cが加わり『こないだの遊園地の写真できたよ!』
幼少期のメガネ『・・・』
メガネの友達A(気まずそうに)『あの、あっちに行って見ようよ?』
○その場から立ち去る友達たち
(思い出のシーンはここまで)
メガネ『私は昔から利用だけされて、本当の友達なんていなかった。
勉強しか出来なくて面白くないから遊びには入れてもらえなかった。
あいつだってそうだ。私に面倒くさい事を押しつけて・・
遊んではくれないんだ・・。引越したら友達欲しいな・・』
メガネの親『ねえ、聞いてるの?卵を買い忘れたからスーパーまでお願い!』
○商店街でプラモデル屋からでてくる愛奈に出くわすメガネ
愛奈『あ!買い物?』
メガネ『うん。頼まれたの・・』(気まずそうに)
愛奈『あの・・私服、かわいい』(照れながら)
メガネ『え!?そ・・そう?』(少し嬉しそうに)
○再び沈黙
メガネの心『私、断ったのに。なんで明るく接してくれるんだろ?
服なんて初めて褒められた・・。友達いるとこんなに気持ちがいいんだ・・。』
愛奈『あ、じゃあ私帰るね!ばいばーい!』
メガネ『まって!』
愛奈『?』
メガネの心『友達になりたい。勇気を出して言うの!』
メガネ『私達、友達にならない?』(小さな声で真っ赤になりながら)
愛奈『ん?』
メガネ『私、この夏休みで引っ越すの。だからプログラムは手伝えないけど
あなたと友達になりたい・・』
愛奈『あ!なんだ!そーゆー事!いいよ!なろうよ!今度あそぼ!』(万面の笑顔)
メガネ『遊園地。興味ある?』
愛奈『興味あるなんてもんじゃないよ!大好き!いこいこ!』
○次の休日の朝。全身が映る鏡に向かうメガネ
メガネの心『ドキドキする。お気に入りの服で友達と遊園地。私の夢・・』
○遊園地の前で集合する3人
愛奈『おはよう!えーっと、この子も来たいって言うから・・』
リボン『よろしくね(笑)』
メガネ『よろしく(笑)』
○ロボットバトルゲームで再びあそんだ3人
愛奈『私、このゲームでロボットにはまったの!私の夢はロボット大会に出る事』
愛奈『この子は中古ロボット店の子で同じ夢を持ってるの!』
メガネの心『私は夢を叶えてもらった。今度は私が手伝う番!』
メガネ『ごめんなさい!プログラム、本当はできるの・・・』
メガネ『今度、機体とOSの内容を見せて?』
愛奈『えっ!ほんとーにーっ?』
ナレーション『その日、私達は3人同時に夢を叶えた。
作ったチーム名はロボけん。ロボット研究部の略。
顧問はいないので非公認だけどよろしくね!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます