第7話 対岸の火事
レアと話をしながら街道を歩いていると遠くに大きな建物が見えてきた。
「なんだあれ?」
「ギルドですよ」
「ほー、いいなギルド!異世界っぽいな!」
ギルドに向かおうとした時、走って来た青年とすれ違いざまに肩がぶつかる。
「おっと、すまない大丈夫ですか?」
幸運は高くてもこういうことはあるんだな、と思いながら青年に質問をする。
「そんなに急いで何かあったのか?」
青年は少し暗い顔をして
「ああ、料理屋の近くに住んでいた爺さんが火事で亡くなったらしい…、だからその火事の後始末を手伝いに行くところなんだ」
「普段なら誰か家族が一緒にいるからそんなことはまず起こらないんだが…、たまたま用事が被って少しの間だけ一人にしている時に…」
「そうなのか、悪い、呼び止めちまって」
「別に大丈夫さ。もう火は止まってる」
そう言って青年は俺達が歩いてきた道を走っていった。
「怖えーなぁ、そういう事故って気をつけてても起きるからな」
俺は当たり障りのないコメントを残しながら、歩き出した。
数歩遅れて歩き出したレアは何も言わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます