第335話 勢いでごまかすこと

 前線へと出向いた呂布が寄手を見るに、彼らは乱脈に陥っていた。


 流言、同士討ち、退却、混乱、乱戦。


 まったく収まりのつかない内部崩壊は、夜明けに近づいてもなお続いた。

 そして、夜が完全に明けた時、呂布は第六将軍の韓暹と第七将軍の楊奉が反乱を起こしたのだと、初めて知った。


「――――陳大夫がやってくれたか!!」


 呂布は陳珪が計を成功させたと理解すると、このタイミングを逃すまいと城から打って出ることに決めた。


「門を開けろ!この日この時このタイミングで偽帝袁術を討つ!者ども!かかれぃ!!」


 放たれた矢の如く勢いよく戦場へと飛び出す呂布軍。


 その勢いは・・・その勢いは・・・その勢いは・・・そう!凄かった!とにかく凄かった!

 それはもう想像を一歩も二歩も上回るほどに凄かった!

 作者のボキャブラリーが少ないから誤魔化しているのではない!

 凄過ぎて書けないのだ!凄過ぎてダメなのだ!凄過ぎて凄過ぎるのだ!

 もうなんていうかそのアレでコレでソレでどれ?と疑問文を質問文で肯定して和文と漢文の小テストを〇×問題にして入試の試験で女教師がカンニングしながら採点してるというもはやなにを書いているのか分からん!というほど凄かった!凄い!凄過ぎた!

 とにかく呂布軍の勢いは凄いんじゃーーーーーッ!


 と、まぁネタ切れで作者が発狂するほどの勢いで、呂布軍は袁術軍を蹴散らした。


 大軍二十万は、木枯らしにより吹き荒らされた木の葉のようにチリヂリにされた。


 しかし、勢いはやがては止まるモノ。


 呂布は無人の境を行くが如く、「袁術!いずこにありゃ~~!!」と戦場を駆けまわっていたが、彼方の山峡に差し掛かった時、


「かかったなマヌケが!!」


 と、一ぴょうの人馬が姿を現し、二手にわかれて呂布の進路と退路を塞いだ。

 さらに山上より鬨の声が上がる。


「匹夫の呂布!自ら死地へ赴くその心意気!あっぱれ至極!褒めてつかわす!!」


「――――あっ!?」


 と、呂布が驚いて見上げてみると、そこには左右に金爪きんか銀斧ぎんふの近衛兵を従えた職業:自称皇帝の袁術が、黄金の鎧に身をかためて彼を見下ろしていたのであった。

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