第197話 常識ある人になろう

兗州株式会社

鎮東将軍 曹孟徳様


拝啓


立冬の候、貴殿ますますご清栄のことと、お喜び申し上げます。


この度は、曹嵩殿の件で多大なご迷惑をおかけ致しまして大変申し訳ございませんでした。


今回の護衛ミスの原因を調査致しましたところ、張闓が欲に目が眩み、誤った判断をしてしまったことが分かりました。


このようなミスをゼロにするために、私だけでなく家臣一人一人の目で人柄を見る様に心掛けていたのですが、このような結果となり、多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。


今後は、現武将はもちろん新卒武将やその他の全ての兵たちをチェックして、人柄に問題無いことをしっかりと確認してから仕事に当たらせる体制に改善していく所存でございます。


何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。


さて、以上のことを踏まえて本題に入らさせて頂きますが、先日、曹嵩殿の件により貴社が弊社に攻め入ろうとしているとの連絡がございました。


突然のことで、弊社としても困惑しておりますが、本件は弊社に責があるとはいえ、私情を挟み、いたずらに民を巻き込まんとすることはいささか『義』を欠く行動かと思われます。


そこで弊社から折り入ってご相談したいことがあります。


今回の戦を止め、停戦勧告を受理して頂きたいと存じますが如何なものでございましょうか?


はなはだ勝手ではございますが、諸般の事情をご賢察くださいまして、上記の件、ご了承くださいますよう重ねてお願い申し上げます。


なお、停戦勧告につきましてお問い合わせなどがございましたら、停戦勧告提案者の『劉備玄徳』までご連絡くださるようお願い申し上げます。


敬具


追伸

本文章の内容及び構成がおかしいのは、全て作者である『ダメ人間』の一般常識が無い故のことですので、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


徐州株式会社

徐州太守 陶謙

(平原相 劉備玄徳)




―――――「ざけんじゃねぇぞ!陶謙&劉備玄徳!!」


 曹操は徐州からの手紙を読み上げや否や、怒声を上げて手紙をビリビリと破り捨てた。


「私情を挟むな?停戦しろ?・・・寝ぼけたことほざいてんじゃねえぞ!この糞野郎共!」


「劉備ごときに説法を受けんでも、この曹操には大義がある!」


「斬れ!使者など斬ってしまえ!その首を徐州に送り、私の返事とせよ!!」


 曹操の怒りは凄まじく、手紙を届けた徐州からの使者を斬り捨て、その首を徐州に送って戦争の意思を表明しようとした。



 ついに始まる劉備と曹操の戦い。


 これから長きに渡り戦い続ける宿命の二人。


 その第一戦が、今、切って落とされようとしていた。



 が、しかしその時、とある報が曹操の元に届いた。


「た、大変です!大変、大変、変態です!超変態が起きました!」


「なんじゃ!なんじゃ!何が起きた!今以上の大変があるのか!」


「は、はい!大変です!兗州が呂布軍に攻め込まれました!!」

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