第166話 喧嘩したら仲直りをすること
恋愛描写を書くのが恥ずかしい作者にとっては超ファインプレイの董卓の妨害により、呂布と貂蝉のイチャラブ空間は木端微塵に破壊されたのであった。
「お前たち何をしておる!!」
董卓の怒声により空気が凍る。
呂布と貂蝉はサササッ!っと距離を取り、呂布はこの世の終わりのような表情を、貂蝉は「嫌がる私をこの人が無理やり・・・だから私は悪くない!全部この人が悪いんです!!」のような表情を浮かべた。
「た、太師・・・これはですね・・・その・・・そう!あれです!貂蝉の髪にゴミがついていたので取ってあげようとしたのです!!」
前回同様、またしても拙い言い訳を述べる呂布。
この呂布の言い訳に董卓は激高する。
「下手な言い訳を述べるでない!この馬鹿、アホ、マヌケが!!今、お前はわしの目を盗んで貂蝉にアンアンイヤイヤそこはダメ~ん!的なことをしようとしたではないか!!わしの目はごまかせんぞ!!」
「い、いえ・・・そんなことは・・・。」
「黙れっ!恩を与えればツケ上がるゴリライオンめ!!お前の顔などもう見たくない!!二度とわしの前に姿を見せるな!!とっとと
董卓の罵りに呂布は歯を食いしばって俯き、一言彼に返事をした。
「・・・もう来ませぬ。」
呂布はそう言い放つと、さっさと寝室から出て行った。
その時ちょうど、呂布と入れ違いになる形で李儒が寝室へと入ってきた。
「太師・・・今、呂布が何とも言えぬ悲しげな表情で駆けて行きましたが・・・何かありましたか?」
怒りの収まらぬ董卓は李儒の問いにぶっきらぼうに答えた。
「あのダメな奴か・・・。奴はわしの恩を忘れて、この貂蝉にチュパチュパしようとしおった。それで二度とわしの前に姿を見せるなと申してやった。・・・それだけだ。」
董卓の答えに李儒は思わず苦笑いをした。
そして、董卓にこう進言した。
「呂布が不届き者なのはよくわかりましたが、それは困りましたな。呂布はまだまだ太師のために活躍できる優秀なアホです。太師は天下に君臨するまで、家臣たちの少々の罪を笑って許してやる度胸が必要と思われます。」
それを聞いた董卓は、
「ばかな!そんなことをすれば主従の関係はどうなる!!」
と憤慨した。
しかし、切れ者の李儒は董卓の問いかけを上手に返す。
「では今、呂布が他国へと走ったらどうなさいますか?」
「うっ!? そ、それは・・・確かにマズイな・・・。」
「お分かり頂けたようでなによりです。呂布は太師の野望のために必要不可欠なのです。どうかここは一つ彼の罪を笑って許して下さいませ。この通りです。」
李儒は軽く頭を下げ、呂布の罪を許すように進言した。
頼れる腹心の頭を下げる姿を見た董卓は心を落ち着かせたようで、冷静になった頭で呂布の罪を考え直した。
「・・・しかし李儒よ。わしは呂布に『二度とわしの前に姿を見せるな!』と言ってしまったのだぞ?奴は超怒っているのではないか?」
「その点はご安心を。呂布は単純な男です。明日、彼を
「ううむ・・・。そうだな。お主の言う通りにしよう。・・・わしも少し言い過ぎたのかもしれぬ。」
董卓は李儒の進言を受け入れ、翌日、呂布の元に使いをやったのであった。
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