第110話 驚くと声が出るもの
朱い匣の中に入っていたモノは印章でした!
印章はすっごく綺麗で見とれるほどのモノでした!
とろけるような名石で方円四寸ばかりでぇ、石の上部には五龍が彫られててぇ、下部の角の欠けた部分は黄金の繕いが施されていましたとさ~~~!!お終い!!
「な、なんちゅう見事な印章だ!・・・おい、程普を呼んでこい!あいつはこういうくだらないモノに詳しいからな!」
「了解ですばい!!」
部下に下知ってなお孫堅は「これは良いモノだ。」と
うっとりとした表情で印章を眺めていた孫堅のもとに程普がやって来た。
「おまっとさんです。なんぞ御用ですかな?」
「おお、程普。これは何だと思う?」
孫堅は学識のある程普に印章を見せた。
程普はそれを見た瞬間、
「キェェェェェェアァァァァァァ!!!コレハ、ギョクジダァァァァァァ!!!」
と奇声を上げた。
「ど、どうした、程普?落ち着け!落ち着くんだ!!」
「お、おおおおおおおお落ち着けですと!これを見て落ち着いてられますか!太守!これを一体どこで見つけたのですか!!」
「いや、そこの井戸の中にあった美人の死体が持っていたモノだが・・・。」
「なんと!真に!本当に!!」
「お、おう。真じゃ。」
「ああもったいない・・・。」
孫堅から事情を聞いた程普は美人の死体に対して、掌を合わせて礼拝した。
「なんまいだ~、なんまいだ~、ぶつぶつぶつ。なんまいだ~、なんまいだ~、ぶつぶつぶつ。なんまいだ~、なんまいだ~、ぶつぶつぶつ・・・。ふぅ。」
程普は礼拝を終えると、孫堅にこの印章についての説明を始めた。
「よいですか、太守。これはですね・・・。」
「こ、これは・・・。」
「これは・・・。」
「これは。」
「これは!」
「これはっ!!」
「これはぁぁぁ!!!」
「これはぁぁぁぁぁぁ!!!!」
・・・続く
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