第70話 休憩時間は休みましょう
打倒董卓の密会より一夜明け、曹操はいつものように
服装、荷物、態度。いつもと同じように見える曹操であったが、一点だけ違う点があった。
それは曹操が腰に差している剣であった。
曹操が腰に差している剣の名は『
七星剣は王允の家に伝わる七つの宝石をちりばめた稀代の名剣である。
先日、曹操が董卓暗殺を諸大臣たちの前で堂々と述べた時、王允は感銘を受けた。
「その心意気や良し!お主にこれを渡そう!成功を祈っておるぞ!」
そう言って王允は、董卓暗殺の成功を祈願して王允の家に伝わる『七星剣』を曹操に渡したのであった。
曹操は七星剣を腰に引っさげ、董卓暗殺に臨むのであった。
丞相府に出仕した曹操は董卓のもとへ向かった。
董卓は
曹操が書院に到着すると、董卓は
「董卓様。曹操、ただいま出仕致しました。」
「はぁ~~!今何時だと思っておる!遅いぞこのバカチンが!!」
曹操が董卓に頭を下げて挨拶をすると、董卓は曹操を咎めた。
曹操が丞相府へと出仕したのは正午近く。
言葉使いは乱暴だが、董卓が曹操を咎めたのは当然であった。
挨拶を済ませた曹操が頭を上げ、再度董卓の方を見ると、呂布が董卓のすぐ傍にいることに気付いた。
(マズイ。呂布がそばにいやがる。あのアホを何とかしないと暗殺など不可能だ。)
曹操は天下無敵の呂布が董卓の傍にいる限り暗殺は不可だと判断した。
そこで曹操は董卓から咎められたことを利用するという機転を利かせた策を打った。
「申し訳ありません。なにぶん私の馬は高齢で老いぼれのため、歩む速度が非常に遅いのであります。」
「何?馬が老いぼれのため出仕に遅れているというのか?・・・それはいかんな。すぐに良い馬を買って乗り換えよ。」
「それが・・・その・・・今ちょっとお金が厳しくて・・・漢王朝がケチなので薄給の身ですし。それに良い馬は中々見つかりませんので、しばらくは老いぼれ馬で出仕するしかありません。」
曹操は超絶わざとらしい口調で董卓から同情を引くことにした。
その曹操の態度を見た董卓は致し方なしと、曹操に良馬をくれてやることにした。
「う~む。・・・仕方ない。呂布よ。わしの馬を一頭適当に選んできて、曹操にくれてやれ。」
「はっ!・・・では曹操殿。しばし待たれよ。」
「董卓様。呂布殿。感謝いたします。」
曹操は両手を組んで頭を下げて礼を言い、呂布は書院の外へと出て行った。
呂布が書院からいなくなったので、書院にいるのは曹操と董卓のみ。
しかも董卓は曹操に背中を向けて横になっており、油断しきって隙だらけであった。
(よっしゃ!きたーーー!今こそ好機!董卓覚悟!!)
曹操は腰に差してあった七星剣を抜くと、心をウキウキさせながら董卓へと近づいた。
一歩、また一歩と董卓へと近づく曹操!
遮るモノは何もなし!邪魔する者は誰もいない!
董卓!絶体絶命の大ピンチ!
しかしこの後、予想外の展開にスタジオ騒然!
果たしてどうなってしまうのか!!
・・・続く
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