太陽王伝承

登月才媛(ノボリツキ サキ)

伝承

昔、大層栄えた文明がありました。

王国の王子は父の太陽王から濃い血を受け継いで、

正義感あふれるたくましい青年へと成長したのでありました。


しかしその祖父の代に、嫌われ、

大地の端へと追いやられた

一人の魔女がおりました。

魔女は言うのです。

「王の冠を渡さなければ、

三日後の正午に太陽が姿を隠すとともに、

王国は火の海に包まれ、滅びるのです」


王子は、王の為に月の国の王女と手を取り、戦いました。

勢力が半分に減ってしまったその日、

三日目の朝を迎えました。

魔女は言うのです。

「王の冠が渡せないのなら、

今日の正午に王国を滅ぼしましょう。

しかしどうしてもと言うのなら、

王子、お前の心臓と王女の剣を差し出せ」


正午が迫る中、戦い続けた王子と王女に、

太陽と月の加護が加わります。


戦いは激戦を極め、王子と王女は

魔女の祭壇へと上り詰めたのです。

王子は言いました。

「悪に染まったお前を、

不死の呪いが刻まれたこの祭壇ごと

叩き壊してしまおう」


正午、太陽が隠れてしまう前に

祭壇にひびが入りました。

魔女は苦しみ、泣き叫びました。

王子と王女は国を治める力を手にし、

国を魔女の手から守り通したのです。


太陽王は王子と王女に王冠を渡しました。

王子と王女はこの日から王国を治める

太陽王と月の王妃になったのです

めでたしめでたし

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