メール・ゲーム
DAi
第1話 遭遇
その日。
ただ僕は、いつもの教室で、いつものクラスメイトと、いつもの先生から授業を受けていた。
「ん……?」
クラスメイト達が次々と席を立ったかと思うと、ついには先生までもが教室を後にしてしまった。その女……
「やっぱり」
「やっぱり?」
一歩一歩、長い髪を揺らしながら、下田さんは僕に近づいて来た。なんだ? やっぱり、って。
「どうもおかしいと思ってた……確かに元々、あたしは上社くん、貴方に勝てたことはなかった。テストにしろ、スポーツにしろ、ね。けど……あたしは絶対に勝てる手段を手に入れたのに……それでも勝てないなんて、あんまりよ!」
激昂していた。教室に残ってしまった僕に気付いてから。僕の所まで辿り着くと、僕の机を叩きつけた。そしてズレてしまった白いカチューシャを直しながら、僕を睨んだ。
「なるほど……あなたはまだ知らないみたいね。“参加者”が“参加者”を見つけたらどうなるか、ってこと!」
「!?」
参加者……今下田さんは、参加者と言ったか!? いや……特別珍しい言葉じゃない……僕が思っている“参加者”とは限らない……!
「なら、あたしが教えてあげる。
“参加者”はそれを見つけたら、ゲームをしないといけない。そうして負けた方は……“参加者”としての資格を失うの!」
何を言っているんだ、こいつ……!
だ、だけど、下田さんが言っていることが嘘か本当か、0時にメールを見れば分かるか……。
そして、もしこれが本当だとしたら……。
“メール・ゲーム”、とはこういうことか……!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます