第15話 彼氏の話 突撃ラブホレポ

彼氏いない歴=年齢だった私が、リア充になって早二年。

海にも行った。山にも行った。世間一般のリア充が行ってそうな場所にはだいたい行った。


しかしラブホにはまだ行った事がなかった。

行きたいっちゃ行きたいけど、別に行かなくても死にやしないし、とずっと思っていたのだが、ある日バイト先で


「まだ行った事ないんか!!!!!」


と散々煽られたので行くことにした。


私のバイト先は、下ネタ好きの店長が営む小さな飲食店だ。

とにかく毎日下ネタを飛ばしている。バイトの9割が女の子なのにそれでも下ネタを飛ばしている。


私が初めて働いた日、店長はきょどる私に、開口一番「彼氏はいるか?」と聞いてきた。 私が頷くと、それを聞いていた先輩Aは「やりましたね! 恋バナができますよ!」と言い出した。


恋バナとは何のことはない下ネタのことである。バイトの9割が女の子だが、その女の子全員に下ネタ耐性がしっかりとあるのだ。

(こう書くと店長がろくでもない変態のように見えるが、最初に「下ネタは平気か?」と聞いてくれたのでその辺良心的だ)


その下ネタ女子の一人に、Bという先輩がいる。

Bさんは、別に買う訳でもないのに大人のおもちゃのホームページを見るのが趣味という謎すぎる人物だ。あと彼氏持ちでもないのになぜかラブホに詳しい。


Bさん「一年中クリスマスなラブホがあるよ!!!」

わたし「へー!!!!」


ある日、こんな感じで私とBさんがラブホについて話していると、店長が「お前は行ったことあるのか?」と聞いてきた。店長は暇さえあれば私と彼氏の事を根掘り葉掘り聞いてくる。私が正直にないと答えると、


「まだ行った事ないんか!!!!!」


となぜか煽ってきた。それを見ていた先輩Bも


「行ったほうがいいよ!!!!!!!」


となぜか煽ってきた。


店長「B、お前が教えてやれ!!!!」

Bさん「なんでも教えますよ!!!!」


ノリノリである。これは乗り遅れてはいけないと思い、私は早速彼氏にラインを送った。


『ラブホいこ』


わし「彼氏にラブホいこってラインおくりました!!」

Bさん「ひぇ~wwwww」

わし「あっ返信きた!」

Bさん「なんてなんてwwwww」


『8日難波いくついでに行こうか』


わし「やったー!!!!!!」

Bさん「ひぇ~wwwwww」

わし「やったー!!!!」

Bさん「難波やったらクリスマスのラブホあるよwwwwwwwwww」

わし「もうそこ行くしかないwwwwwwwwwww」

店長「なんやなんや」

わし「彼氏とラブホ行くことになりました!」


店長は派手にずっこけた。さすが大阪人である。

そんなこんなで私の初ラブホ行きが決まった。

店長は「お祝いやな」と言って笑い、Bさんは「おめでとう」といって笑った。

(こう書くとろくでもないバイト先に見えるが、ちゃんとお客さんがいない間の会話である)


店長「最初やから、B、お前ついていってやれ!!!!!」

Bさん「そうですね!!!!!!」

わし「ひぇ~wwwww」




もちろんついてこなかった。

次回、突撃☆ラブホレポ その2に続く。

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