プロローグ
プロローグ
今、俺たちがいるのはダンジョンのセーフティエリアだ。そこで、これからのダンジョン攻略について話し合っている。
今回攻略をしようとがんばっているのはこの世界に10個あると言われているダンジョンの1つ、別名氷河の谷とも評される氷と雪の迷宮「Glacier Vally」。
難易度で言えば、10個のダンジョンの中で5番目と高難易度ダンジョンへの第1歩といわれるところだ。
出現するモンスターの強さでいえば1つ難易度の下のダンジョンと変わらないか少し下回るレベルだ。なのに、高難易度ダンジョンの足掛かりといわれるのか。それは、ダンジョン内の地形や気候の問題だ。
このダンジョンの特徴を一言で表すならば、「とにかく寒い」だ。
別名の通り、氷と雪がダンジョン全域を覆っている。そのおかげで、気温が極端に低くい。また、必然的に体温が下がる。そのせいで、体の動きが鈍り思わぬ事故につながることが多いのだ。
また、ダンジョンの構造上どこもかしこも同じように見えるのだ。しっかり、マッピングをして進まないと道に迷いそのまま消耗品が底をつき、命を落とす冒険者も多い。
それが、このダンジョンが高難易度ダンジョンへの登竜門と言われることの所以でもある。
「タツキ、さっきから何を1人ぶつぶつ言ってんだよ。そろそろ、次のフロアに行かないと」
「そうだよ、タツキあんまりゆっくりしてるとダンジョンで野宿になっちゃうよ」
そう、クリスとステラに釘を打たれる。へいへいと頭をかきながら立ち上がった。
俺たち3人でダンジョンを攻略するようになってから、かれこれ1年近くになるだろうか。
「やっとここまで来れたって感じだよな。いろいろあったけどお前らには感謝してもしきれなよ」
「なんだよ、タツキ。お前にしては臭いこと言いやがる」
「クリスの言う通りだって。私だって自分の達成したい夢があるし、2人とダンジョン潜るのは楽しいからそんなこと言わないでよ」
こんな仲間に囲まれてダンジョンに潜れている自分が誇らしい。そんなことを考えていると、
「またなんか考えやがって早くいくぞ。ステラ、支援魔法を頼む」
「わかった!タツキもこっちに来て。冷寒耐性の魔法かけるから」
前にも話したが、このダンジョンはとにかく寒い。支援魔法なしで攻略しようとするのは自殺行為といっても過言ではない。だから、ステラのような魔導士クラスのメンバーが必須なのだ。
俺とクリスがステラの前に立つと優しく微笑み、支援魔法の詠唱を始めた。
「寒さ、凍結、恐怖を防ぎ、己を守れ。フリージングプロテゴ‼︎」
ステラの周りをほのかに黄色いアルファベットが回り、次の瞬間あたり一面をオレンジの光が包んだ。
「これで良しと。さてと、そろそろ行こうか!」
俺たちはダンジョンの下層域を目指して歩き始めて行く。
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