第2話:「赤」「一直線」


 赤い夕焼け赤みをおびていく暁。


「今日から家族だ」


 そう告げた私に君は「本気で言ってるの?」と小さく呟く。

 どうすれば本気が伝わるだろうか?

 子供は一直線に素直な生き物だ。

 窓から見える白んでゆく空。

 子供の手を引いて生きていく?

 それこそ何の冗談だと一笑に付したのが先週の私だろう。


「君はひとりになった」


 君の表情がこわばる。

 施設だってあるだろう。


「そして、私が家族にすると決めた。いやなら言いなさい」



 こうして君は私の家族になった。

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