彷徨える放射能の重力崩壊
オドラデク
重力波の合唱世界
彷徨える孤児のように暮れかかる夕日が螺旋の旋律とともに落下するときにはいつだってこのように歌うんだと教えてくれた人がいた。
でも、いまはもういない。
名前が紹介されないということは登場人物が透明な放射能のように発散していくということだ。アカウントアカウント……
何度繰り返しただろうか、このリズム。
眠らない猫のホームページが老人の投げる野球のボールとともに乱反射する。
青春はズタズタにされているのか。花火でない爆発音。
このままでいいのかという焦燥と、無気力な罠に翻弄される毎日が雪のように幻視される海水浴。注文が多いに越したことはないと猫は言っている。されば猫箱の実験も満足だろう。自殺しろ。
大丈夫、きっとまだ間に合う。何が?もちろん核兵器の兄妹が結婚するのがだ。
今でも夢に見るよ。何を見るのか。青春が壊れていく瞬間のささやきが。
呟くと同時に壊れることを反復し鍵盤を叩き出す心臓の鼓動が崩壊のビートともに発散する。電撃戦対応の楽器が奏でる電波変換のノイズ。
「それは嘘でしょう」と妹は言った。「あなたに青春なんてものはないわよ。欠片すら残っていない。嘘で嘘で嘘で騙されたふりをし続けて後悔と自殺衝動を捏造してまで恋愛がありえなかったことを償っているだけ。だから妄想すら手の届かない場所にある迷宮の外で足踏みをして待っている」
青春が生まれてこなかった。だから嫉妬することなんてできるはずがない。
妹に対する憎悪が執拗に残り続けている。世界に入ることができないのだから疎外感などどうでもいいことではないだろうか。「空虚」
世界とは妹のことだと私は思っていた。というのも家族と人間は別の存在で、世界の数だけ妹があり、略奪されるべき結婚生活があるのだから。
「さあ、カードゲームをしましょう」
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