【ショートショート】世界「あぁ、そんなことか」童話集

へろさん

昼のない国

 あるとき、ある場所に、昼が来たことがない国がありました。

 でも、その国の人々は生まれてからずーっと夜なので、それが特別だとは知りませんでした。


 あるとき、1人の少年が考えました。

「ロウソクで天井が照らされるように、空がぜえんぶ明るくなることもあるんじゃないだろうか?」


 少年はそれを街の人々に言ってみましたが、みんな笑って相手にしてくれません。

 少年は国を出ることを決めました。外では空が明るいこともあるかもしれないと。


 大人の目をかいくぐり、彼は国境の壁を乗り越えました。


 そこには1日中昼の国がありました。

 彼は納得して、自分の国へ帰りました。

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