018.Percussive Organ~パーカッシブオルガン
生のオルガンでは出せない音を、エレクトリックオルガンで出そうと言う発端で、このオルガンサウンドが生まれたと言われている。
ドローバーオルガンのサウンドに、打楽器のような「コツっ」というアタック音を付け加えたのである。
現在のオルガンには、この「コツっ」をスイッチで付け足せる機能を持っている。
パーカッションと呼ばれるこの音には、セカンドとサードの二種類があり、それぞれ元音からユニゾン、フィフスのパーカッションが付け足される。他にパーカッシブにはショートとロングがある。
この原理は、4フィートの回路を使用し、電流を溜め込んでキーを押した際に放出させることで、クリック音を発生させるもので、一度鍵盤を押すと放出されたままになるため、レガートなどで後に押される鍵からクリック音は出ない。鍵を完全に離すと再度電流は溜め込まれる。
4フィートの回路がパーカッシブに使われてしまうため、4フィートやは使えなくなり、構成音はおのずと変更されてしまう。
ヤマハ特許商品エレクトーンでも、オルガンが搭載されている機種には、同様の機能がある。
エレクトリックオルガンは鍵盤の形に特徴があり、ピアノの鍵盤の先には突起があるが、オルガンにはこの突起はなくストレートになっている。この鍵盤を形状から「ウォーターフォール鍵盤」という。
ピアノに比べはるかに軽いため、グリッサンドなど特有の演奏方法がとられることもある。
オルガンの鍵をゆっくり押していくと、高音からトリガーが働き始めるため、構成音の高音から順に鳴り始める。
鍵盤にはピアノと同じく白鍵と黒鍵が用意されているが、低音部分には白黒が逆になった鍵盤が1オクターブほど用意されており、ハモンドオルガンにおいてはドローバーのセッティングを記憶させておくプリセットキーとなっており、コンボオルガンにおいては、高音とは違う低音用のサウンドが鳴るようになっている。
前述の通り、ドローバーオルガンには多くの真空管が採用されているため、電源を入れたらすぐに音が出せる構造にはなっていない。このまま演奏すると音程が狂っており、まともな演奏は望めない。
メインの電源を入れる前に、真空管を暖めるための電源が設けられ、それを入れて十分に温まってから演奏を開始するのである。
温度の低い時点で発音させると、温まるに従い低い音から徐々に高くなっていく現象が起こる。逆に暖気中に暖気電源を落とすと、音程が徐々に低くなっていくという現象も起きる。
ちなみに、B3は機関を内蔵したボックスに、細い足がついたコンソールタイプと呼ばれるボディーを持ち、C3はシアタータイプと呼ばれ、B3の概観を教会のオルガンに似せた造りに変えたものである。教会に置かれたハモンドオルガンはこのC3である。
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