001.Acoustic Grand Piano ~アコースティックグランドピアノ
一般的には横置きの大きな物を思い浮かべるだろう。88鍵が標準とされ、時代によっては61鍵などと少ない時代もあった。
現在ではベーゼンドルファーのモデル「インペリアル」が97鍵盤を持っている。これは、パイプオルガンの持つ低音域をピアノで弾くために考案され、低音の鍵盤にA♭からCまでを増やし、8オクターブを持たせた物だ。
追加された低音は、もはや人間の可聴限界付近にあるためにピッチを感じにくく、誤奏がないよう白鍵だけが黒塗りされている。
「音の強弱が容易に出来るチェンバロ」という意味を持つ「クラビ チェンバロ コル ピアノ エ フォルテ」から縮まり、ピアノフォルテという省略名を経て、現在の名が付いた。
ピアノの前身は、「音の強弱が容易に出来るチェンバロ」という意味からも、チェンバロ――ハープシコードである。
ハープシコードをベースに、ピアノのハンマー機構を組み込んだものが、原始的なピアノの形となった。これをフォルテピアノという。
これを最初に完成させたのは、チェンバロ製造者のバルトロメオ・クリストフォリといわれている。
現在のピアノとは違った音で、演奏法もまた違っていた。しかし、ハンマー機構の構造は現代に通ずる礎ともなるほど、技術高い物だったという。クリストフォリはピアノメーカーとなり、イタリアのフィレンツェで現在もピアノを製造し続けている。
取り付けられた弦はおよそ200本。低音は1本、中音~中高音は2本、高音では3本となる。弦に掛けられた張力は全体で2トンにもなるという。それを支えているのが頑丈な骨格である。本体の総重量は500kgにもなる。
中音~高音弦はスチール製のコイル弦を使用し、低音には太い銅製のコイル弦を使用している。その為に、中高音と低音の音色には若干の差がある。
時代によって使用されてきたピアノ線は違い、ハープシコードから発展した「フォルテピアノ」は軟鉄を弦に使用していたが、音量を出すための大型化を進めるため、弦は次第に重量のある物を使用するようになり、現在のスチール弦と銅製弦になっていった。
ピアノの形状や骨格、構造は、弦から駒を経由し、音が全体に響き渡るように出来ており、あのピアノの音の豊かさはこの構造なくして実現できないのである。
コンサートホールや室内など、場所に応じてグランドピアノはその大きさを選ぶことが可能。
コンサートホールでも隅々まで聞こえるよう、大きな音の出る「フルコンサートグランド」や、音楽室など室内に置くための「ベビーグランド」など揃っており、音色や音程に差はないが音量に違いがある。
メーカーはベーゼンドルファーやベヒシュタイン、スタンウェイ&サンズが有名。
日本ではヤマハやカワイといったところか。
発音はアップライト型に対してハンマーアクションが早い為、安定性を持っている。
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