プラシーボ
「綺麗ね」色水入りの小瓶をつまむ。「点眼薬だ。両目に一滴ずつ落とし、最初に見た者に恋をする。相手が元より慕う者なら、恋心が忽ち消え失せる」店主の微笑みに唆され、躊躇わず試す。「嘘よ、効かないわ」色付きの涙が両目から溢れた。「何が嘘なの」媚薬のような声が囁く。「綺麗だよ」
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