俺と姉貴がオンラインゲームで付き合ってる話
クロヒロ
俺と姉貴がオンラインゲームで付き合ってる話
第零章
プロローグ
世の中にはオンラインRPGというものがある。 ネトゲとかMMOとか呼ばれることもあるかな。
RPGとは、例えば勇者が魔王を倒すために、僧侶や魔法使いなどを仲間にしてファンタジー世界を冒険するゲームだ。
で、オンラインRPGとは、同じインターネットでつながった世界に何千人もの人達が参加して、気の合った者同士で一緒に冒険に出かけるゲームの事を指す。
なので、オンラインゲームでは、誰かが勇者であり戦士であり魔法使いになるんだ。コンピュータじゃなくてね。
大抵は気の合う人達同士でチームを作り、一緒に助けあって冒険したり、一人ではいけないようなダンジョンとかにみんなで挑戦したりする。
ゲーム内では文字を使ったチャットというシステムで会話も出来るので、一緒に遊びながら、今日見たTV番組の事で盛り上がったり、好きなアニメやアイドルの話などをしたりしながらゲームをすることも多い。
最近では、無料のネット通話を使って遊んでる奴も多いという話だ。ただ、気が合わない奴と一緒に組んだりすると、そりゃあ最悪なことになる。
例えば、今の俺達みたいにね!
「あんたがさっさと
「ふざけんな!元々は姉貴が寝坊したのが原因だろうが!」
「わかってたんなら起こしに来るぐらいしなさいよ・・・。気が利かないわね。」
「お前が部屋に入るなっつったんだろうがぁぁぁぁあ!」
俺と姉貴は朝っぱらから、スカイポと言う通話無料のネット電話で大げんかをしていた。原因は、今日の朝10時に出現予想のボス「ビッグスパイダー」を倒せなかった事だ。
諸々の事情で出現時間に出遅れてしまい、すでにボスが狩られていた後にボス出現場所に到着してしまった。
あ、ボスって言うのはオンラインRPGの中ボスの事ね。で、俺と姉貴はそれぞれの部屋で自分のパソコンを使って、スカイポを使いながらパーティーを組んで、つまり一緒にゲームをやっているわけだ。
「大体、なんで弟と一緒に朝からゲームやって
あんのやろう、あからさまにため息つきやがった。
「里奈!真司!そろそろ朝ごはん食べなさい!」
1階からのお袋の声でゲームは一旦中断に。
「あんた達最近仲良いわよねえ。一緒にゲームやってるんでしょ?」
朝食の目玉焼きを焼きながら話してくるお袋のそんな言葉に俺は思う。
(なぜだ?なんで俺は朝から姉貴と一緒にゲームやってなきゃならんのだ・・・。)
もちろん理由はある。
なぜなら、俺と姉貴は、この大人気オンラインRPG「ザ・ブラックアース」の中で恋人同士なのだ。
うん、あれだね。口に出すと気持ち悪さが数倍にも
誤解されると困るんだが、別に本気で付き合っているわけではない。付き合ってる振りをしているだけだ。なぜそんな事をしているかと言うと、これには海よりもふか~い理由がある。たぶん。
話は、2~3週間前に遡る。俺たちが所属するギルド「自由同盟」で行われた「オフ会」に参加したことが、すべての「
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