第69話 変貌


 想像以上の荒れようだった。

 街は閑散とし、壊れた家屋や店舗が視界に入る。

 この短期間で、これほどの影響が出るものだろうか。

 暫く天空城から降りていなかったとはいえ、これほどに荒んでいるとは思わなかった。

 ブレスレットを配って回った時の出来事から、当初の予定を変更して、アルベルツ州ではなくローデス王国のダンジョンから攻略することにした。だが――


 こりゃ、思ったよりも深刻な状況だぞ。さすがはダンジョンが五つもあると、浸食も早いんだろうな。


 全ての準備を終え、ローデス王国の王都ロマールへやってきたのだが、余りの酷さに絶句していた。


「やはりダンジョンが多いせいでしょうか。これほどの被害を他では聞いてません」


 マルセルが率直な感想を述べているが、全員が同じ気持ちなので、返事をする者は居ない。

 ただ、麗しき脳筋嫁アンジェが、その端正な眉を吊り上げながら頷く。


「この状況だと、この国を一番にして正解だったみたいだな」


 確かに、これじゃ戦争以前に、国内が崩壊しそうだな……


 すっかり荒れ果てた街を眺めつつ、アンジェの意見が尤もだと納得する。


 現在の面子は六人の妻と俺を合わせた七人であり、その内容は、ラティ、ロココ、麗華、アンジェ、綾香、マルセルとなっている。


 因みに、一緒に来たがっていたルルラと美麗に関しては、母親から実力不足の烙印を押されて、サクラが稽古をつけることになったのだが、それを聞いて黙っていない者が居た。

 そう、エルザだ。

 彼女は不公平だとクレームを入れてくると、俺の跡取りに据えようとしているクロトアにも、一緒に修行をさせると言い始めたのだ。

 ただ、クロトアの齢を考えると、とてもではないが早過ぎると考え、即座に反対した。

 結局、もう少し大きくなったら、俺が直々に稽古をつけることを約束して、息巻くエルザに納得してもらった。


「とにかく、急ぐっちゃ」


「そうですわね」


 早く何とかしたいと感じているのだろう。ラティと麗華が焦りをにじませている。


 だけどさ、こういう時に限って、トラブルに巻き込まれるんだよな。いったい誰がトラブルに愛されてるんだ?


 嫁達からの冷たい視線を無視して肩を竦めていると、見栄えの悪い男達が二十人ほど現れた。

 おまけに、誰もがニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。

 それを目にしただけで、奴等が何を考えているかなんて理解できるのだが、敢えて口にはすまい。

 どうせ、直ぐに視界から消えてなくなるのだ。


『えっと、殺すなよ』


 戦闘を避けられなくもないが、世の迷惑だから暫く安静にしてもらうことにする。

 ただ、これだけ洗脳が進んでいると、その男達が必ずしも不埒者ふらちものだとは限らない。だから、やり過ぎないようにと嫁に釘を刺す。

 ところが、即座にラティが、その美しい顔を歪めた。


『これまでなら、始末したっちゃ』


『洗脳の結果かもしれんだろ?』


『ないニャ。あの雰囲気だと、侵される前から悪党ニャ』


『確かにな。それに悪党ほど影響を受けやすいのかもしれんぞ?』


 不殺の理由を告げると、即座にロココとアンジェが呆れた表情で肩を竦めた。しかし、二人の意見に異議を唱える者も居る。


『でも、不埒な人を始末し続けるのは、ファルゼンの考えと変わらないと思いますわ』


『そうですよね。レイカの言う通りだと思います。改心させることも必要でしょう』


 麗華とマルセルが、始末するだけの行為を否定した。


 ファルゼンか……確かに、不埒だというだけで始末してたら、世の中から人が居なくなるよな……てか、十三人も嫁が居る俺こそがもっとも不埒だと言われたら、それこそ自爆だしな。


 自分の不徳が一番の罪ではないかと考え、少しばかり首筋が涼しくなるのだが、そこでパクラー綾香が結論を出した。


『別に自分達の手を汚す必要もないと思います。というか、そんな価値すらないと思います。だから、殿様に丸投げで良いのではないですか?』


 おお、珍しく良いことを言うじゃないか。どうしたんだ? ああ、昨夜の穴埋めで機嫌がいいのか……


『そうだな。そういう約束だし、爺ちゃんに任せるとしよう』


 綾香に便乗すると、誰もがコクリと頷く。

 それを見て安堵の息を吐いていると、悲惨な結末が待っているとも知らずに、男達が偉そうに能書きを垂れた。


「女を置いて行けば、命だけは助けてやってもいいぞ」


 いやいや、別に助けてもらう必要はないし、痛い目に遭うのは、間違いなくお前達なんだけど……というか、知らぬが仏とはこのことかな。ほんとに哀れな奴等だ。


 凄む男の言葉を聞き流しつつ、この後の展開を思い浮かべて、少しばかり同情したい気分になる。

 ただ、腹に据えかねたのだろう、横に立つ麗華が男達に警告する。

 正義感が強いだけあって、行き成りボコるのは、心が痛むのかもしれない。


「わたくし達は、誰一人としてあなた達が敵う相手ではないですわ。今なら間に合います。大人しく引き返した方が身のためですわよ」


 大きな胸を張る麗華の警告を耳にして、いや、その胸を目にして、奴等は気色を示した。

 誰もが涎を垂らさんばかりにニンマリとする。


「いい乳してんな~。たまんね~ぜ」


「スタイルもいいし、めっちゃイケてるぜ」


「後ろに居る銀髪の娘も飛び抜けてるぜ」


「いや、金髪の巻き髪ねえちゃんの胸が最高だろ」


 あ~、やっぱり始末すっかな~、こいつ等。こんな奴等にうちの嫁を見られたら汚れるじゃんか。


「ゴミ共、俺の嫁に汚い視線を向けんじゃね~。この乳は俺のもんなんだからな」


 奴等の暴言にムカつき、即座に麗華を抱き寄せる。そして、自分の手で彼女の胸を隠す。

 その行動が拙かったのだろう。火に油を注ぐことになったみたいだ。


「くそっ、男が居るのか!」


「なに、さりげなく乳を触ってんだよ!」


「この男、くそムカつくぜ」


「なんて羨ましい……殺す」


「うっせ! 自分の嫁の乳を触って何が悪い。それに、ここに居るのは、全員が俺の嫁だ。見るな! あっちにいけ! しっしっ!」


 麗華のみならず、反対の手でラティを抱く。途端に、彼女は歓喜の声をあげた。


「そうなんちゃ。うちはユウスケの嫁なんちゃ。あっちにいけっちゃ!」


 ラティの発言を耳にして、なにを考えたのか、男達が混乱する。


「なんだと! 嘘言え! その金髪ボインも嫁だってのか?」


「ああ、オレも嫁だぞ? なんか文句あるか?」


 腕を組んで、大きな胸を強調させたアンジェが頷く。


「じゃ、そっちの猫娘もか!?」


「ニャハハハ。わたしも嫁ニャ。もう、子供もいるニャ」


 ロココが自慢げに成長した胸を張る。


「まじかよ! そっちの清楚な娘は違うだろ!」


「いえ、私もお嫁さんにして頂きました」


 頬を染めたマルセルが、嬉しそうに頷く。


「ありえね~、じゃ~、そっちの……貧乳は、まあいいか……」


「ぶっ殺します! こんな奴等は死が相応しいです」


 キレた綾香が怒髪天となる。

 殺す価値もないとか、堂々と宣ったはずなのに、彼女は道具袋から機関銃を取り出したかと思うと、男達に突きつけた途端に、容赦なく弾丸をバラ撒いた。


「うわっ、あぶね! こいつ味方までやるきか?」


「相変わらずなんちゃ」


「ほんと、困ったものですわ」


 後方にいた綾香が攻撃を始めた所為で、男達の間に立っていた俺は、麗華とラティを抱いたまま、その場から瞬時に飛び退すさる。

 すると、同じように飛び退いたロココが溜息を吐いた。


「はぁ~、やっぱり危険な女ニャ」


 ほんと、ロココの言う通りだぜ。こいつって、キレると見境がなくなるからな……だいたい、奴の弾丸って俺でも痛いんだぞ?


 呆れて肩を竦めるのだが、そんな俺達など眼中にないのか、奴は闇雲に弾丸を討ち放っている。なんて非経済的な奴だ。少しはエコを考えろっての。


「ぐぎゃ!」


「あぎゃ!」


「いてーーー!」


「なんじゃ、こりゃーーー!」


 怒りの綾香から弾丸をぶち込まれた男達が、呻きや苦痛の声をあげている。

 それと同時に、アンジェのクレームもあがった。


「こら、アヤカ。独り占めなんてズルいぞ!」


 何がズルいのかは分からないが、彼女が情けない表情で、鉄パイプとバールをアイテム袋から取り出しながら吠えると、マルセルが悲痛な表情で詰め寄ってきた。


「ユウスケ。早くアヤカさんを止めないと、みんな死んでしまいます」


「まあ、死んでもいいんじゃね? いや、すまん、言葉のあやだ」


 思わず本音を口にしてしまったのだが、マルセルに睨まれて肩を竦める。そして、渋々ながらに綾香をなだめることにした。









 あれやこれやと手を尽くして、何とか綾香のご機嫌をとると、危機が去ったと言わんばかりに、アンジェと麗華が前に出る。そして、蹂躙劇を始めた。

 ラティとロココに関しては、後方から弓とボーガンで男達の脚や腕を撃ち抜いている。

 結局、ものの数秒で男達は、呻き声すら出ない状態になり果てた。


「うむ。終わったな」


「そうですね。あとはジパングに送るだけですね」


 ああ、そうだった。めどくせ~。


 マルセルに頷いて見せるが、そこで残りの作業を思い出す。

 ただ、何を考えたのか、なんとか落ち着いた綾香に、ロココが冷たい視線を向けた。


「始末する価値もないニャ」


「そうなんちゃ、自分達の手を汚すまでもないんちゃ」


「そうだな。殿様に丸投げするか!」


 ロココが嫌味を口にすると、ラティとアンジェが嫌らしい笑みを浮かべて合い乗った。

 その途端、綾香が顔を真っ赤にする。


「ふぐっ……」


 おいおい、蒸し返すと後が面倒だからやめてくれんかね……まあ、味方に機関銃を乱射するとは思えんが……


 少しばかり焦りつつも、黙って成り行きに任していると、なにを考えたのか、綾香が抱き着いてきた。


「みんなが虐めるんです。ちょっと胸が大きくなったらって……調子にのってます」


 まあ、アンジェと麗華は、元々、大きかったけどな……


 どう慰めたら良いのやらと悩んでいると、胸に縋る綾香が良からぬことを口にした。


「こうなったら、貧乳製造機を作ってやる。この世から巨乳なんてなくなればいいんです。みんなが寝ている間に、貧乳にしてやるんです。神の祟りです」


 おいおい、そんなことしたら、創造神どころか、世の男達から邪神と呼ばれることになるぞ。てか、俺も悲しくなるからやめてくれ。いや、そもそもネガティブすぎるだろ。貧乳にする道具を造るくらいなら、巨乳にするアイテムを造れよな。そっちの方が建設的だろ。


「それは勘弁ニャ。小さいのは寂しいニャ」


「ごめん。うちも小さいのは嫌っちゃ」


「オレはどっちでもいいけど、ユウスケが泣くからな。だって、大きいのが好きだろ?」


 この状況で、俺に振るなよ! バカアンジェ!


 ロココとラティが貧乳を否定すると、アンジェも眉を八の字に下げて首を横に振った。いや、俺に振りやがった。

 そうなると、当然のことながら、泣き縋っていた綾香が見上げてくることになる。


「お、お、俺は、胸の大きさなんて気にしないぞ?」


「う、嘘です! 目が泳いでます。ユウスケのバカっ! 絶対に造ってやる!」


 なんてバカなやり取りをいつまでも続けていたのだが、どうやらこの街の住民は、俺達を完全に拒絶しているようだ。

 住民はドアの隙間や窓から、こっそりと様子を伺っているが、俺達と目が合った途端に隠れてしまう。

 まあ、二十人の男を瞬殺したんだ。街の住民が怯えるのも仕方ないか……ああ、一応、誰一人して死んでない。


「いつまでも、ここで騒いでいても仕方ないな。そろそろ、行くか」


 気を取り直して出発を告げたのだが、ラティが警告を飛ばしてきた。


「ダメみたいっちゃ」


 即座にマップを確認すると、見る見るうちに取り囲まれてしまった。

 どうやら、さっきの奴等の仲間のようだ。

 その数は、百人に届くだろう。いや、マップ機能で確認すると百八人だった。


 おいおい、百八とか、煩悩かよ……


「街中だし、魔法は被害がデカくなるな。みんなでぶっ飛ばすか」


「おうさ! ユウスケは見学だぞ! ああ、アヤカもな」


 作戦とも呼べない方針を告げると、アンジェが勢い良く返事をしてくる。ただ、俺と綾香に釘を刺してきた。

 しかし、戦いの先端を切ったのは、ルミアからハッピートリガー伝染病を感染させられた綾香だった。

 どうやら、みんなから虐められて鬱憤うっぷんが溜まってしまったようだ。


「オラオラオラオラ! お前等の玉をぶち抜いてやるぜ。ついでに乳も落としてやるぜ!」


 こえ~~~~~~! これは防弾カップが必要だな。てか、敵はみんな男だぞ、綾香。


 綾香は怒声を放つと、省エネなんてクタバレと言わんばかりに、両手で持った機関銃を左右に動かしながら、やたらめったらと弾丸をバラ撒く。


「こら! アヤカーーーー! 何とかしろよ、ユウスケ! お前の嫁だろ!」


「まあ、俺の嫁なのは確かだが……お前等が揶揄いすぎなんだよ」


 むくれるアンジェに、処置なしだと首を横に振って見せると、矢を放つ音が耳に届いた。


 ピシュ! ピシュ! ピシュ!


 ファルゼンに弓を壊されたラティは、綾香に作ってもらったアーチェリーで自慢の速射を披露している。

 これがまた、恐ろしいほどの精度で敵の脚や腕を射貫く。

 それは、もう精密機械と言っても良いほどの射的性能だ。

 そんなラティの横では、ボーガンを持ったロココが、容赦なく男達を射抜いている。

 やはり、相手を殺さないように手足を射抜いているのだが、連射の速さこそラティに負けるものの、その精度は負けず劣らずといったところだ。


 綾香の弾丸、ラティとロココの矢が、男達に降り注ぐ。

 ただ、今度の敵はかなりの数だし、建物の陰に隠れていたりするので、そう簡単に全滅なんてことにはならなかった。

 それに業を煮やしたのか、麗華が神剣を呼び出しやがった。


 おいおい、こんなところで神技を披露するつもりか?


 俺のおののきなど気にした様子もなく、彼女は容赦なく神剣を縦に振り切った。


迅雷烈下じんらいれっか!」


 おいおい、街中で何てもんをぶちかましてんだよ。


 振りおろされた神剣が空を切り裂いたかと思うと、次の瞬間、耳をつんざく轟音が鳴り響き、目を背けたくなるほどの閃光が走った。

 きらめきを放つ稲妻は、轟音を置き去りにして建物の背後に隠れた男達に襲い掛かる。


「ぐあっ!」


「ぎゃーーーー!」


「ひうっ!」


「かはっ!」


「ラティ、ロココ、麗華、ズルいぞ!」


 敵の悲鳴や呻き声に続いて、遠距離攻撃のないアンジェが不満を露わにするが、どうやら、今の攻撃で戦える者は居なくなったようだ。てか、麗華の神技で建物が燃えている。ほんと、限度を知らない奴等ばっかりだ。


 呆れつつも辺りをゆっくりと見回してみる。


 こりゃ、住民にとっちゃ、俺達の方が悪者かもな……まあ、悪者でもいいけどさ……ん?


 悲惨な状態となった周囲を目にして肩を竦めていると、突如として俺達に向かって魔法が放たれた。

 おそらく、エアーカッターかなにかだろう。


「空――」


「結界!」


 即座に空牙で掻き消そうとしたのだが、それよりも先にマルセルが結界を展開した。

 魔法は結界にぶつかると、呆気なく霧散し、次の瞬間には、ラティの矢が魔法を放った男の両腕と両足に、次々と突き立った。

 なんとも、恐ろしいほどの早業だ。


『おいっ、弁償しろとか言われる前に、ダンジョンに向かうぞ』


 本来なら、襲撃者をジパングに送りたいところなのだが、このままだと面倒なことになりそうだと感じて、次の行動について伝達する。

 周囲の有様を目にして、誰もが納得したようだ。一人として否定の言葉を口にすることなく、一陣の風が吹き抜けるかの如くダンジョンに向かった。









 ロマールの街中でひと暴れしたのちに、誰にも捕まえられないような速度でダンジョンの入口に到着した。ただ、そこで足止めを食らう。

 よくよく考えると、ギルド登録していないメンバーが居るのだ。


『どうしますか?』


 困り顔のマルセルが視線を向けてきた。


『もう、今更だろ。ここは実力行使でいこう』


 もちろん、伝心での会話なので、目の前に立つダンジョンの番人たちには聞こえていない。

 聞こえていたら、間違いなくひと悶着あっただろう。いや、どちらにしても、結果は同じだ。


「悪いな。ゆるせ」


 入口に立つ四人の番人を優しく寝かせた。

 あくまでも優しくだ。間違っても、ぶっ飛ばしたりはしていない。

 後々、少しだけ痛むかも知れないが、彼等のポケットに金貨を一枚ずつ入れておいたので、それで許してもらうことにしよう。


 久しぶりのダンジョンは、全くといって良いほど変わっていなかった。

 湿気とカビの臭いを感じさせるダンジョンに入ったところで、振り向いて嫁達を見回し、今回の方針を伝える。


「今回は育成目的じゃないから、ガンガン行くぞ」


 全員が笑みを浮かべて頷いた。

 ただ、マルセルが真剣な表情を向けてきた。


「エルソル様に言われて気にしていたのですが、確かに、マナの回復速度が遅いように思います。ですから、ユウスケも魔法は控えた方が良いかと……」


「ああ、それな。俺も確認してみたが、倍くらい違うんだよな。恐らく、空っぽにしたら、満タンになるのに二日は必要になるだろうな。だが、マルセルの方こそ気を付けてくれよ。戦闘はどうにでもなるが、回復役はお前しか居ないからな」


「はい。ただ、『神癒しんいの恵み』に関しては、マナを消費しませんので、おそらく大丈夫だと思います」


「よし。それじゃ、いくぞ! 遅れるなよ」


 マルセルが自分には固有魔法『神癒の恵み』があると頷く。

 彼女に頷き返し、全員に合図を送る。そして、脚を踏み出す。

 こうして尋常ではないダンジョン攻略が始まる。


「空牙!」


 ピシュ! ピシュ! ピシュ!


「おいおい、幾らなんでも、あんまりだろ。ユウスケとラティの二人で戦闘が終わってじゃね~か」


「悪いな、今回は急ぎだしな」


「ごめんなんちゃ。サクサク片付けたいんちゃ」


 地下四十五階まで降りて来たが、未だに、俺とラティの二人だけで魔物を殲滅している状態だ。

 まあ、これが一番早いから仕方ないと思うのだが、アンジェは全く戦う機会がなくて不服らしい。

 そんなアンジェに、綾香がフォローを入れる。


「心配しなくても、まだ、半分も来てませんから、これから戦う機会は沢山ありますよ」


「う~~~~~~む。それならいいけどさ……」


 慰められたアンジェは渋々と頷いているが、その裏で綾香がほくそ笑んでいる。


「ふふふっ。いい気味です」


 あう……どうやら、いまだに貧乳発言を根に持っているみたいだな……


 今回の目的から考えると、早く終わった方が良いので、これで問題ないはずなのだが、綾香から悪魔の角と尻尾が生えているように思えて、少しばかり呆れてしまう。ただ、それを気にする時間も惜しいので、見て見ぬ振りで足を進める。


 その後も順調に進んで、現在は地下七十階だ。


「畜生~、結局、ここまで三体しか倒してないぞ。ユウスケ、今夜は解ってるだろうな」


 アンジェが八つ当たり気味に吐き捨てる。この分だと、今夜はアンジェが相手なのだろう。

 とかなんとか言っているが、奴はいつも強気な癖して、実際には乙女モードに変わってしまう。

 まあ、そこも、可愛いところだけどな。


 結局、この日は地下七十階で休むことにして装甲車を出したのだが、アンジェに捕まり、瞬く間に隔離部屋へ連れ込まれることになってしまった。


 翌朝、さっぱりした顔のアンジェが食堂に現れた。


 まあ、散々頑張ったからな……てか、少し目眩がする。きっと、太陽が見えたらオレンジ色なんだろうな……


「ユウスケ、今日はオレが先頭な! ダメと言うなら指輪を外すぞ」


 この指輪を外すという脅しは、子供を身籠るぞという意味だ。

 おそらく、アンジェは先のことを見越していたのか、これまで避妊を続けていた。

 本来なら自分の年齢のことを考えて、さっさと子供を作りたいと思っていたはずだ。


「分かった、分かった。お前が先頭でいいよ」


「よっしゃ~~~!」


 肩を竦めて諦め気味に返事をすると、アンジェが最高の笑顔で前に出た。

 こうして、アンジェが先頭に立ち、ダンジョンを降りることになる。


「オラオラオラ!」


 アンジェがやたらと元気だ。

 取り敢えず、何が出てきても鉄パイプとバールの一撃で粉砕している。

 その横では、麗華も負けじと、襲い掛かってくる敵を全て切り裂いている。


 ピシュ! ピシュ! ピシュ!


 アンジェがねるので、俺は遠慮しているのだが、ラティは遠慮なく矢を撃ち放っていた。

 まあ、ラティの速射が凄いと言っても、空牙に比べると殲滅力は落ちる。

 その所為か、今のところ、アンジェからのクレームは入っていない。


 現在、地下九十階を越えたところだが、未だに、苦戦するような敵は出て来ていない。

 おそらく、エルソルの塔で修行をする前だったら、この辺りでピンチになっていただろう。

 だが、現在の彼女達の実力なら、俺が居なくてもダンジョン制覇も難なくこなせるだろう。


「弱いぞ~~! お前等、修行が足ら~~~ん!」


「いやいや、きっと、ここまで来た冒険者なんて居ないと思うぞ? だいたい、モンスターは修行したりしないからな」


 アンジェの叫びに、思わず素で答えてしまった。


「でも、そろそろ、最下層に到達するのではないでしょうか」


 マルセルが最下層について意見を述べて来たが、実は、何階が最下層なのかも知らなかったりする。


「そもそも、どうやってそこが最下層だと判断するのかしら」


 最下層の判断について、麗華が首を傾げていると、ロココがあほくさいと言わんばかりに呆れ顔を見せた。


「下に行く階段がなかったら、最下層ニャ」


 確かにご尤もな意見なのだが、ラティがツッコミを入れる。


「下に行く階段がないって、どうやって判断するん?」


 そう、隠し階段があるかもしれないことを考えると、階段がないこと自体の判断がつかない。

 そこまで考えたところで、もはやお手上げだった。

 ところが、綾香の持論が飛び出す。


「最下層と言えば、きっと、ボスが居るのです。きっと、凄い奴が現れるはずです」


 おいおい、お前はゲームのやり過ぎだろ!


 結局、ここで騒いでも何の意味もないという結論になり、とにかく、先を急ぐことになった。









 ここは、地下九十九階だ。

 その部屋は、あたかも洞窟のような雰囲気だが、なぜか、呪われているかのように、ドロドロとした嫌な感じだ。


「でたぞ! てか、マップに表示されてないし……」


「これがボスなのか? 人型のボスとか、なんかつまらんぞ」


 敵の出現よりも、マップに表示されないことに意識が向く。

 背後からは、残念だと言わんばかりのアンジェの声が聞こえてきた。

 彼女の言う通り、そこに姿を現したのは人型のモンスターなのだが、その大きさは、人間の倍はあるだろう。

 背中からは蝙蝠のような羽が生え、額から曲がりくねった二本の角が出ている。

 両手は人と同じだが、両足は鹿のようであり、足の先はひづめになっている。

 そして、人と変わらない造りの手には、大きな鎌の柄が収まっている。


「つまんないって……これって悪魔じゃないかニャ」


「悪魔? ヤギじゃないん?」


 そのモンスターを目にしたロココが感想を述べると、ラティが首を傾げた。

 すると、アニメやゲームに精通している綾香が自慢げに宣言する。


「これは、バフォメットですね」


 綾香のウンチクはいいとして、少しばかり気にかかることがあった。


 確かに、ヤギなんだが……このヤギ顔、どこかで見たことがあるような気がするぞ……


 悪魔型のモンスターを前にして、どこか見覚えのあることに首を傾げていると、ロココがその疑問を解いてくれた。


「ニャ! あれは、城ケ浦じょうがうらニャ」


 城ケ浦といえば、元クラスメイトの男だ。


 確か、奴は第二王女と一緒に逃げ出したはずだが……


 ロココは、唯でさえ能力の影響で希薄となっている表情から、全ての感情を消し去っている。

 それもそのはず、奴はロココが磯崎だったころに虐めをしていた一人なのだ。


「えっ!? あれが城ケ浦くんですの?」


「確かに、奴みたいですね」


 ロココの台詞で、麗華が驚き、綾香は頷く。


 確かにロココの言う通りなんだが、それはそうと、なんで城ケ浦がこんなところに居るんだ? いや、なんで悪魔の姿になってるんだ?


「良ぐぎだな! クヒクヒクヒッ!」


 言葉もおかしくなっているが、性格まで狂ってしまったようだ。

 引き攣らせた笑みから漏れる声からして、狂気を感じる。

 そもそも、この状況で笑っていられる神経が知れない。

 ただ、優等生だった麗華は、母親になった今でも、真面目なところは変わっていない。


「城ヶ浦くん、どうしてここに?」


 ここに居る理由を尋ねるが、奴はクヒクヒクヒと笑っているだけだ。

 いや、そもそも、あれって笑っているのだろうか。

 気持ち悪い笑いを目にして疑問を抱くが、突如として、奴は大鎌を振り切った。

 その一振りは、誰にも届くことはない。

 奴との距離は、十メートル以上離れているのだ。

 それ故に、何も切ってはいない。もし切れているとするなら、それは空気だけだろう。

 しかし、その何気ない一振りを目にして、なぜか、嫌な予感が膨れ上がった。


「マルセル!」


「結界!」


 マルセルの名前を叫ぶ。途端に阿吽の呼吸で、彼女は要望に応えた。

 彼女が発動させた結界は強力だ。大抵の魔法を遮断する。いや、俺たち以外で彼女の結界を突き破ることはできないだろう。

 そんな強固な魔法が半球状に張り巡らされている。全方向からの攻撃にも耐えられる代物だ。

 ところが、その表面に網の目状の亀裂が入る。


「魔滅結界!」


 結界が破られると判断したのか、麗華がすぐさま固有能力で結界を重ね掛けする。

 その内側にいる俺達が目にしたのは、マルセルの結界が、まるでマスクメロンの模様の如く切り裂かれる姿だった。

 麗華の結界が切り裂かれることこそなかったが、マルセルの結界を易々と切り裂いたことを考えると、奴の攻撃はかなりの威力だと判断できる。

 そもそも、奴は大鎌をたったひと振りしただけなのだ。


『気を付けろよ! 奴の攻撃は、真面じゃなさそうだ』


 全員が無言で相槌を打つ。

 次の瞬間、ラティが直ぐに攻撃態勢に入った。


 ピシュ! ピシュ! ピシュ!


 奴に向けて速射が唸りをあげた。しかし、奴は瞬時にその矢を避ける。


 ラティの矢を避けるとは、かなりの回避速度だ。


 それにしても、どう見ても人間ではなくなっているみたいだが、奴に何が起こったんだ?


 奴が強いとか、弱いとか、そんなことよりも、奴の状態の方が気になってしまう。

 その間も、ラティ、ロココ、綾香の三人が、遠距離攻撃を浴びせかけている。

 弾丸と矢の吹雪と呼べそうなほどの弾幕となっているが、奴は全ての攻撃を避けている。恐ろしいほどの回避能力だ。


「じ~~ね~~~、おばえだのぜいで~~~~~~!」


 おそらく、俺達の所為でこうなったと言っているのだろう。

 何をどう勘違いしているのかは知らないが、ほんと迷惑な話だ。


「自業自得ニャ。自分のしてきたことを顧みるニャ」


 ロココが凍えそうなほどの冷たい声色で否定する。

 彼女の気持ちからすると、その答えしかないだろう。


らちが明かね~! 神武装!」


「お、おいっ! こらっ!」


 業を煮やしたアンジェが固有能力を発動させた。

 何を血迷ったのか、止めるのも無視して鉄パイプとバールで殴り掛かる。


 マジかよ! まだ奴の力を見定めてないってのに……


「わたくしがフォローしますわ」


 奴はアンジェの放ったバールの一撃を大鎌で弾く。

 そこに、稲妻の如き速さで奴の左側に踏み込んだ麗華が、容赦なく神剣を振り切る。

 麗華が見舞った高速の一撃は、見事に奴の左腕を斬り飛ばす。

 しかし、それで攻撃が終わったわけではない。

 右側から疾風と化したロココが呪いのダガーで斬り付ける。


「食らうニャ」


 奴の右腕が斬り飛ばされて、切り口から炎が噴き出る。

 さらには、首には深い斬撃の痕が残る。

 ロココが両手に持つ呪いのダガーが炸裂したのだ。


「終わりニャ」


 奴の首を切り裂いたロココが、戦いの終わりを告知する。


 「くそっ、また良いとこ取りされたぞ……って、おいおい」


 戦いが終わったと判断したのか、アンジェがその美しい顔を歪ませた。

 ところが、斬り飛ばされた奴の腕は、宙を舞ったかと思うと、元の位置である切り裂かれた部分に戻る。

 おまけに、首の傷も、あっという間に治ってしまった。


 これじゃ、あの時の竜人みたいじゃね~か……


 少しばかり嫌なことを思い出して悪寒を感じてると、すぐさま距離をとった麗華が訝しげにした。


「どういうことなの? どんな力が働けば、こうなるのかしら」


 彼女は、冷静に奴の力を分析しようとするのだが、どうやらお手上げみたいだ。

 昔の彼女なら、ここで驚愕するところだが、これまでの戦闘で経験を積み、これきしでは動揺したりしなくなった。


「治るのなら、原形が無くなるまで微塵にするニャ」


「そうですわね。もはや、人間を卒業したみたいですし、そうする他なさそうですわね」


 ロココと麗華は、奴を塵に変えることを考えているようだが、俺としては、復元の力が気になっていた。

 そんなタイミングで、弾丸をバラ撒いている綾香が進言してくる。


「旦那! 後ろの黒い珠。あれって、ダンジョンコアだろ。もしそうなら、奴等の波動攻撃は、あれから放たれているはずだ。まずは、コアを破壊しろよな」


 ハッピートリガー弐号機――綾香の言う黒珠は、奴の立つ位置よりかなり奥に設置されていた。

 黒珠がダンジョンコアである真偽しんぎについては、現時点で判断することはできないが、彼女の意見も一理ある。


「ラティ!」


 名前を呼ぶと、美しき女神が黙ったまま頷く。そして、意を察した彼女は、即座に黒珠に向けて矢を撃ち放つ。

 しかし、正確無比な矢は途中の空間で止まってしまった。


「うっ、ダメなんちゃ……」


 どうやら、目には見えないが、そこに障壁があるのだろう。

 ラティが悔しそうに宙に浮いたままの矢を睨みつけている。


「うらうらうら! バラバラに砕けちまえ!」


 別人と化した綾香が、何を考えたのか、黒珠に向けてロケットランチャーを撃ち放ちやがった。


 おいおいおい、ここはダンジョンだって! みんなで生き埋めになるつもりか?


 地下でロケットランチャーをぶっ放すという暴挙に慌てるが、その攻撃も手前の障壁で爆発するだけで、何の効果も生み出さなかった。

 というか、思いっきり爆風と吹き飛ばされた石を食らっちまった。


 その間も、アンジェ、麗華、ロココ、三人が奴と戦っているのだ。のんびりして居られない。


「ラティ、綾香。空牙!」


 ラティと綾香に視線を向け、黒珠ではなく、障壁を対象にして空牙を発動させる。

 二人は無言で首肯すると、矢と弾丸を黒珠に浴びせ掛ける。

 今度の攻撃は、見事に黒珠に辿り着いたようだが、ダメージを与えられたようには見えない。


「ちっ。ダメか。くそかて~。旦那のナニみたいだ」


「硬いんちゃ。まるで夜のユウスケなんちゃ」


 それを目にした綾香は舌打ちし、ラティは愚痴をこぼす。


 つ~か、俺を例えに出すなよな。そもそも、そんなに硬くね~っての。まあいい。それよりも。このままじゃ、アンジェの言う通り埒が明かね~。仕方ない。本気でやるか。


 瞬間移動で黒珠の前に移動すると、もっくんの一振りで珠を消滅させる。

 さすがに、黒珠の守りは、もっくんを弾くほどに強固ではなかった。

 これでダメなら、千切りを使うところだ。なんてったって、あれは切れないモノがないという神器だからな。


 黒珠を破壊した途端、城ヶ浦の叫び声が轟く。


「ぐぞ~~~~~~! ぐぎゃ~~~~~~! ごろじでやぐ~~~~~~~~!」


 奴は苦しみながらも毒を吐き続けている。

 だが、麗華が放った神剣の一撃が唸りを上げ、続けてロココの双刀が切り裂く。


「ぐあ~~~~~~~~~~~~~! ぬあ~~~~~~~~!」


 二人に切り裂かれた城ヶ浦が絶叫する。


「どうやら、回復できなくなったみたいですわね」


 もがき苦しむ姿を目にした麗華が、安堵の息を吐く。

 ところが、絶叫を上げていた城ヶ浦の身体が肥大化しはじめた。


「今度は、何にニャ?」


 ロココが驚きと言うより、呆れた様子で奴から距離を取る。

 すると、奴は巨大で歪な牛に変化した。

 まあ、これを牛と呼ぶのは、少しばかり語弊ごへいがあるかもしれない。

 完全なモンスター化と言った方が良いだろう。


「時間が勿体ない。俺が片付けるぞ」


 その主張に、ロココが反対するかと思いきや、彼女は黙って頷いている。

 もしかしたら、奴がモンスター化したことで、復讐する気が失せたのかもしれない。

 どちらにしても、もう復讐なんて止めるべきだ。

 そんな彼女の姿を子供たちに知られたくない。


「空牙!」


 息荒く突進してきていた城ヶ浦、いや、モンスターを空牙で消滅させつつ、ロココの復讐について、きちんと話し合った方が良いのではないかと考えた。









 城ヶ浦を倒した後、地下九十九階を確認してみたのだが、どうやら、この階は他と違って、この洞穴のような空間だけしかないようだ。

 そして、隈なく調べたが、地下に降りる通路は見当たらなかった。

 どうやら、ここが最下層であり、あの黒珠がダンジョンコアだったようだ。

 本来なら、ダンジョンコア消滅による影響を調査したいところなのだが、時間も惜しいので、ワープポイントだけマークして戻ることにする。

 ところが、ラティが黒珠のあった位置でしゃがみ込んでいる。


「ラティ。どうしたんだ?」


 彼女は座り込んだまま振り返る。


「ここ、何かおかしいんちゃ」


 ラティが指差す場所を確かめてみると、そこには黒い呪文のような跡が残っている。


 これはなんだ? このまま放置しても大丈夫……じゃないよな。きっと……


「ラティ、下がってろ」


 ラティは素早く立ち上がって後ろにさがる。

 彼女が安全な位置に移動したのを見やり、もっくんでその場所を突き刺す。

 だが、その呪文のような文字は消えなかった。


 それならば……


「空牙!」


 空牙で、その呪文を地面ごとゴッソリとえぐると、洞窟に変化が現れた。

 周囲を覆っていたドロドロとした呪いのような雰囲気が霧散していく。


「ウニャ! 神殿に変わったニャ」


「綺麗ですね」


 洞窟の変貌ぶりに、その美しい造りに、ロココとマルセルが感嘆の声をもらす。


「ほんとに美しいですわね、これが本来の姿なのでしょうね」


 部屋の中を見回した麗華が、その美しさに見惚れていた。

 だが、俺が考えていたのは、城ヶ浦の変貌の方だ。


 なにがどうなったら、あんな魔物みたいな姿になるんだ? いや、今は他に急ぐことがあるし、棚上げするしかなさそうだな……


「取り敢えず、ここは終わりだ! 次のダンジョンに行こうぜ」


 相変わらず漢モードだと豪快なアンジェが、次に行こうと急かしてくる。


 そのうち、乙女モードの映像を収録して、本人に見せてやろうかな。くくくっ。


 少しばかり意地悪なことを考えながらも、彼女に頷き、ワープを発動させて二つ目のダンジョンに向かった。

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