第2話

「ちょっと!その犬!捕まえて!」


男の人の声に反応して前を見てみる。

楽しそうに走ってくる大きな犬



そのまま私に突っ込んできた。


顔をなめようとするので

距離をとる。

 

「はあ、はあ、、助かっ、、た、、はあ、、」


「大丈夫ですか?」


「はあ、ほんと、疲れたよ、、ずっと走りっぱなしでね、、元気だねえ、犬は」


スーツの男の人はそういってその場に座り込んだ。


犬と私と男の人、みんなの目線が合う。


なにこの状況


「びっくりさせてごめんね。僕はこういう者です。」


手渡されたのはポケットから出てきたよれよれの名刺。


「私立探偵、真野 寛貴(マノ ヒロタカ)さん?」


「そうです!

何か困ったことがあれば、そこに電話してきてください。どんな依頼でも引き受けますよ!」


探偵か・・・これだ!


「あの!私を雇ってください!」


「え・・?それはどういう依頼なの?」


「依頼じゃなくて、私も探偵になりたいんです!」


「お断りします。」


「無理です!」


「いや、無理なのは僕!

君の分のお給料を払えるほど儲からないんだよ。」


まさかまさかである。

某眠りの名探偵はやはりアニメの世界なのか


しかしここで、「はいそうですか。」なんて聞き分けよく諦められない。


何故探偵なのかはわからないが、やりたいと思ってしまったのだ。

今この瞬間に出会ってしまったのだ。


面白そうな仕事に。

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