第21話 運命のキャラクター

 私、これまで数あるキャラクターのうち、王道ヒロイン女子には魅力を感じたことがないのです。


 でも、これ、女性の方なら私と同じように感じる方、多いんじゃないでしょうかね?



「ちょっと、貴方何してるのよ! グズなんだから! もう!」などと主人公を普段から罵倒しつつ、たまに優しくなるお姫様とか。(そして、強がりながらも絶妙のタイミングで泣き顔を主人公に見せる)


 私は貴方を守るために未来から来たボディガードです、貴方を命にかけてもお守りします、 というお堅い美女とか。(最強かつ、ボンきゅんボンのナイスバディ。常にクールですが、たまに主人公に照れ顔を見せる)


 私は身も心もあの方のもの。これ以上近付いて私にその汚らわしい手で触れようものなら、この剣で喉を突きます! というやんどころなき女性とか。(ほんとに突いちゃう)


 以上が私の思いつく王道ヒロインキャラクターのイメージですが、間違ってます?

 彼女たちの共通点として絶対に外していけないのは処女であるということです。


 何でしょうかね、あまりにもお綺麗すぎて超越しすぎてるからですかね。

 男性が女性への夢を詰め込んで作ったキャラだなぁ、というのがひしひしと伝わってくるからでしょうか。

 おいおい、あからさまに男性ウケを狙ってやがるぜ、こりゃ、と。


 同じ同性であるからこその反発心? のようなものがあると思うんですよね。


 私は大草原の小さな家の長女メアリーより、次女のローラが好きで、らんま二分の一なら長女のかすみお姉ちゃんより、次女のなびきお姉ちゃんが好きですね。




 ところで。

 反対に嫌いな男性キャラクターってどんなものだろう、と考えた私ですが。


 ……びっくりしました。一人も思いつきませんでした。


 男性キャラなら、真面目な正統派ヒーローも、乙女ゲームに出てきそうな王子も、遊び人も、抜け作先生もみんな好き。

 ジャイアンも、イヤミも、ドクターキリコも、ハンニバルのレクター先生も好きですわ、私。

 やはり、異性だからでしょうかね。

 男性というだけで、どんなキャラでも大目に見ちゃうのですかねぇ。


 ちょっと話が変わりますが、男性の女性キャラに求めるハードルってかなり高いですよね。ヒロインが非処女だっただけで炎上する、という話を聞いたことがありますが、なんでそこまで? と驚きますよ。

 女性読者の場合、ご贔屓の男性キャラが浮気したって、あらあら、て許してあげますでしょ。(私だけかしら?)



 すみません、話がかなりそれてしまいましたが。

 私は今までに王道ヒロインというものを自作の小説に登場させたことがないかなあ、と思います。

 それが今回の本題です。

 昔、一人だけ微妙なラインのキャラを描いたことがありますが、それ一回きり。


 一度くらい挑戦してみたいなあと思っておりますが。

 読むだけであんなにストレスが溜まるキャラクターを、描くなんて。

 相当な苦痛です。


 それでもひとえに王道ヒロインと言っても、様々なタイプがあるでしょうし。一人くらいは私が惹かれるキャラクターがいるかもしれない。

 どうせなら、品行方正で貞潔な清く正しく美しいお姫様クラスの正統派ヒロインを描いてみたいものです。


 ああ、何処かに私の心を射止めるような、魅力ある正統派ヒロインタイプは居ないかしら……なんて、考えてEテレを観ていたら……居ました。


 まるで、神の啓示を受けたかのような衝撃。

 私の胸に響くこのトキメキ!


 その方のことは実は以前から存じ上げておりました。

 気になって仕方ないくらい、非常に魅力ある女性だったと申し上げておきます。

 そう、その魅力と言えば、Eテレのミスターミステリアス、オフロ◯キーに匹敵するぐらいの吸引力!




 彼女の名前は、ひと◯様。

 ねんどる、の、おねんどお姉様であります。


 そうそう、これだよ、私の追い求めていたヒロインは!

 気づいた瞬間、バシー、と雷に打たれたようになりました。


 ゆったりとした物腰、口調。

 いい意味で空気を読まない強さ。

 一人で異世界を作っちゃうほどの揺るがなきマイワールド。


 これだわ。

 ああ、もう彼女しか考えられない。


 こうして、運命のキャラクターに巡りあった私は。


 彼女を下地にした正統派ヒロインをいつか描いてやると心に決めたのでありました。


(でも、ストーリーが思いつかない)

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