短編集

永才頌乃



 今日ももう時期終わりを迎え、明日が始まる。

 そして明日も──。


 ゆるりゆるり、ときは流れる。

 止める事も、戻る事も、まして早く進める事も出来ない。刻は思うままにならず、ただただ進み続ける。


 ──恋しい貴方に逢えるのは、何時になるだろう。


 逢えると分かっているなら、刻を早めたい。

 逢えないのならば、刻を止めたい。──いっその事、貴方と出逢う前に戻りたい。

 けれど、それは叶わぬ事。願っても、意味のない事。


 私はただ待つ。貴方に逢える、その時を。




 ──今日もまた、終わりを告げる。

 貴方に逢えぬまま。






【刻・完】

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